働きすぎの若者が知らない、60〜70代のうらやましいほど「理想的な働き方」

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年収は300万円以下、本当に稼ぐべきは月10万円、50代で仕事の意義を見失う、60代管理職はごく少数、70歳男性の就業率は45%――。

10万部突破のベストセラー『ほんとうの定年後』では、多数の統計データや事例から知られざる「定年後の実態」を明らかにしている。

多くが非正規雇用・フリーランスに

多くの会社員は、定年後にまずは再雇用を受け入れるかどうかということになる。

そうしたなか、定年後に非正規雇用あるいはフリーランスの道を選ぶ人も多い。

〈非正規雇用者が占める割合は50代前半時点では数%にすぎないが、60代後半にはパート・アルバイトで13.6%、契約社員等で12.9%と、定年後の最も一般的な働き方に変わる。〉(『ほんとうの定年後』より)

〈フリーランスの働き方は50代前半では6.4%と少数派であったが、50代後半で7.4%、60代前半で8.4%、60代後半で10.9%まで増える。そして、70代前半では就業者のうちフリーランスの人は約2割で、最も多い働き方になる。〉(『ほんとうの定年後』より)

データからは、非正規とフリーランスが大半ということが言えそうだ。

「短時間の働き方」が急速に増加

当然、現役時代とは働き方は大きく異なることになる。

実際、「短時間の働き方が急速に増えていく」という。

〈50代後半においては、週労働時間が40時間以上の人が58.7%と最も多く、週30〜39時間が18.9%、週20〜29時間が11.1%、週1〜19時間が11.4%となる。

そして、定年後に目を向ければ、短時間労働者の割合は60歳を境にして急速に増えていくことが見て取れる。

週1〜19時間の労働者の割合は60代前半で15.4%と増えたあと、60代後半では26.0%、70代前半で32.9%と急増する。

短時間労働者が増えた結果として、週40時間以上のフルタイムで働く人の割合は、60代後半時点で35.7%、70代前半時点で31.4%にまで下がる。定年後には短時間の働き方が急速に増えていくのである。

これは当然に高齢就業者が短時間労働を望んでいるからである。〉(『ほんとうの定年後』より)

こうした結果から、現役時代とは働く時間を減らし、かつ、それが無理のない働き方になっているのである。

〈労働力調査(詳細集計)においては、回答者に対して労働時間の増減の希望を聞いており、もっと働きたいのに働けない人、働く時間を減らしたいのに減らせない人の実態把握を行っている。

その結果も併せてみると、65歳以上の年齢区分では増減希望なしが83.9%と、ほかの年齢区分と比較して最も高い。

一方、増加希望あり(6.1%)、減少希望あり(10.0%)は全年齢区分で最も低い値となっている。〉(『ほんとうの定年後』より)

定年後にどのような仕事に就くのか。どれくらいの時間働くことになるのか。

漠然としたイメージで定年後に突入するのではなく、データで「ほんとうの実態」をある程度つかむことで、幸せな定年後を実現できるはずだ。

つづく「多くの人が意外と知らない、ここへきて日本経済に起きていた「大変化」の正体」では、失われた30年を経て日本経済はどう激変したのか、人手不足が何をもたらしているのか、深く掘り下げる。

多くの人が意外と知らない、ここへきて日本経済に起きていた「大変化」の正体