日本の高齢者はどんな仕事に就いているのか「意外と知らない現実」

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年収は300万円以下、本当に稼ぐべきは月10万円、50代で仕事の意義を見失う、60代管理職はごく少数、70歳男性の就業率は45%――。

10万部突破のベストセラー『ほんとうの定年後』では、多数の統計データや事例から知られざる「定年後の実態」を明らかにしている。

〈最も高年齢者が多い職種は農業である。農業人口は198万人で、その52.6%が65歳以上の就業者によって担われている。

次に、高齢者比率が高い職種は居住施設・ビル等管理人の47.0%、法人・団体役員も36.1%と比率が高い。〉(『ほんとうの定年後』より)

農業、居住施設・ビル等管理人などが多いという。

これはイメージしやすいかもしれない。

そのほかにはどのような職種に就くのだろうか。

販売職、不動産屋、サービス業…

〈販売職も高齢者比率が高い。

コンビニやスーパーなどの販売員を含む商品販売が11.6%、販売類似職業が35.0%となる。販売類似職業は、不動産の仲介や保険商品の代理販売などが含まれている分類である。

これらは実際にその商品を販売するわけではないが、仲介などの形で売り主から委託された商品を買い主に間接的に販売する形になるため、国勢調査上は販売職として定義されている。

地場の不動産屋で高齢従業員が不動産の販売・管理を行っている姿が比較的見慣れた光景となっているように、このような職種では現状多くの高齢者が活躍している。〉(『ほんとうの定年後』より)

コンビニやスーパーで60〜70代くらいの就業者を見かけるという方も多いかもしれない。

そのほかでいえば、サービス業で働く人もそれなりに存在する。

〈サービス職も高齢就業者が多い。理美容師、クリーニング店のスタッフなどからなる生活衛生関連サービス(23.9%)や飲食物調理(17.0%)などである。

保安職は自衛官、警察官、警備員などからなるが、前者二つは高齢就業者が少ないのに対し、警備員は37/1%が高齢就業者である。

そのほかにも、タクシードライバーやトラックドライバーなどの自動車運転(18.5%)、清掃(33.0%)など高齢就業者を積極的に受け入れている職種も多い。〉(『ほんとうの定年後』より)

もちろん、再雇用のような形で現役時代と同じ企業で働く人もいる。

しかし、そうでない場合は、どのような仕事にどれくらいの人数が就いているのか。

いまからデータで把握しておくことで、「定年準備」は大きく進むのかもしれない。

つづく「多くの人が意外と知らない、ここへきて日本経済に起きていた「大変化」の正体」では、失われた30年を経て日本経済はどう激変したのか、人手不足が何をもたらしているのか、深く掘り下げる。

多くの人が意外と知らない、ここへきて日本経済に起きていた「大変化」の正体