「なんで同じベッドに寝てる女が他の男のこと…」ジャニヲタを妻に持った夫たちのリアルな本音《賛成は2割、反対は…》〉から続く

 今や3人に1人は“推し”がいると言われる時代、「パートナーがジャニヲタ」という夫は、めずらしくありません。

【実際の写真】とある元ジャニーズグループコンサートに集った女性ファンたち。既婚者風の人も多いが…

 ジャニヲタ妻の推し活について「人に迷惑をかけなければ好きにしていい」と寛容な夫たちもいる一方で、「夫婦関係にヒビが入った」と嘆く声も聞こえてきました。

 愛嬌ある推し活と、関係悪化を招く推し活のボーダーラインは、どこにあるのでしょうか。

 妻の推し活をうとましく思う夫たちに話を聞くなかで、3つのポイントが見えてきました。


横浜アリーナで行われた、とある元ジャニーズグループコンサートに集うファンたち

「収入や容姿、男としての度量みたいなものを勝手にジャニーズと比べて…」

 Eさん(41)がKAT-TUNファンの元妻と離婚したのは「嫉妬」が原因だったと言います。

「21歳で授かり婚をしたのですが、若いころは仕事もうまくいかず、収入や容姿、男としての度量みたいなものを勝手にジャニーズと比べて張り合っていました。

 元妻はたぶん可愛いほうで、出待ち中に会った芸人やタレントに口説かれることもあり、本人もそれを嬉しそうに話すので、『俺の女なのにチャラチャラすんな!』と怒りをぶつけたこともありました。

 それでコンサート禁止、ジャニーズが出てるテレビ禁止と縛りつけ、結局ほどなく別れることになったんです。若くて精神的にも経済的にも余裕がなかった自分が悪いとは思うのですが、アイドルとはいえ妻が他の男に夢中な姿を見るのはつらかった」(Eさん)

 今は再婚しておだやかな夫婦生活を送るEさんは、「元妻がジャニーズをほめるたび、自分がダメ出しをされているようでコンプレックスを刺激されていた」と振り返ります。

 Eさんがした妻への束縛はほめられたものではありませんが、異性の推しを讃えるあまりパートナーに引け目を感じさせてしまうのは考えもの。そこは、妻の側にも気遣いが求められるように思います。

「家で年下の女性アイドルをほめ続ける夫」を想像すれば、その問題点はすぐにわかることでしょう。

「今日は飲まないでね。送迎よろしく」

 ジャニヲタの夫たちが妻の推し活にネガティブな感情を抱くタイミングとして、「自分が損している」と感じる瞬間が浮上してきました。

「大切にしていた本仮屋ユイカの写真集を『私がいるんだからこんなのいらないでしょ!』と捨てさせられたことがあります。他にも僕の本やDVDはしれっと捨てるくせに、妻は推しが表紙でヌードになっている『ananセックス特集』を手厚く保管しているんですよ。“おたがいさま”が崩壊すると、やっぱり腹が立ちます」(Fさん)

「妻がSnow Manのファンだったのはそこまで気にならなかったのですが、娘が大きくなって一緒に推し活をするようになると、コンサートへの送迎など雑用を押しつけられるようになりました。ライブはもちろん、聖地巡礼やらグッズの買い出しやらがある日は『今日は飲まないでね。送迎よろしく』と言われ、食後のビールもなし。文句を言うと『娘が心配じゃないの?』と娘をタテにするんです。その一方で、妻が僕の趣味に何かしてくれることはないんですよね」(Gさん)

 インターネットでは「妻が夫のフィギュアやプラモデルを勝手に捨てた」というのが鉄板炎上エピソードとして存在しますが、“自分の趣味は大事にして、夫の趣味は雑に扱う困った妻”は一定数いるようです。

「別グループファンの会ったこともない相手とレスバトルしている姿を見て…」

 推し活は感情を爆発させるので、人としての本性みたいなものが出ることがあります。それが夫にとって「知らなかった妻の醜い一面」だった、というケースもままあるようです。

「ある日突然、妻のもとに警察が来たんです。驚いて問いただすと『推し活代欲しさにチケット代をだまし取った』とのこと。アイドルが好きなこと自体は可愛いらしいと思っていましたが、さすがに絶句しました」(Hさん)

「毎日鬼のような形相でスマホをにらみつけて、『○○のくそファンがうるせえから黙らせてやった』とか言って、別グループファンの会ったこともない相手とレスバトルしている姿を見てうんざりしています。仲間から“いいね”がつくたびに高揚するようですが、こっちは暗い気持ちになります」(Iさん)

 ネットでもよく話題になるチケット詐欺や誹謗中傷問題。Hさん、Iさんともに「まさかうちの妻が」と信じられない気持ちに見舞われたそうです。

 けれど、「推し活のおかげで妻の本性が見えたのかもしれない」(前出Iさん)とも思うそうで、「しばらく妻の動向を眺めたうえで、今後の関係を見直すつもり」(同前)とのことです。

「共有の財産を推し活で食い潰された」と沈むのはJさん(39)です。

「同棲していた彼女と、『1年後に挙式しよう』と約束していました。結婚資金を積み立てる口座を作り、管理を彼女にまかせていたんですが……。いつの間にか彼女が貯金を使い込み、他に借金までしていることがわかりました。怒るというよりひたすら悲しくて、弁済も求めず縁を切りました」(Jさん)

「ごめんね、ごめんね、でもどうしても○○くんに会いたくて……!」と泣きながら詫びる彼女の声が、今も耳に残っているというJさん。人のお金に手をつけてまで推し活する彼女が、「ものすごく不気味に思えた」ということです。

1000年前にも存在した“高度すぎるNTR夫”

 悩める夫たちの証言が浮き彫りにしてくれたのは、パートナーを泣かせる推し活は長続きしないということです。「推しのために」という思いに駆られて人の痛みに鈍感になったり、過激な行為に走ればかならず破綻が迫ってきます。

 しかしながら、夫によって心持ちもさまざま。

 推しの年齢が妻と近いと生々しいとか、逆に離れているとまがまがしいとか、男性ウケがいいグループだから認めやすいとか、個々のとらえかたによっても気持ちは変わると思います。

 私の体感になりますが、夫たちの多くは「まぁ、身の丈に合って人の道から外れなければいいんじゃない?」と大らかに見守ってくれているように見えます。

 ジャニヲタ妻としては、夫への感謝も忘れずに、すがすがしい気持ちで推し活に臨みたいところです。

 最後に、大河ドラマ「光る君へ」でも話題の「源氏物語」を原作としたマンガ「あさきゆめみし」に登場する“いにしえのジャニヲタ妻”と、それを応援するNTR夫の夫婦をご紹介します。

 そのカップルは、少女のように光源氏にときめく老齢の女官・源典侍(げんのないしのすけ)と、彼女の長年の恋人・修理大夫(すりのかみ)。

 光源氏は年の離れた典侍に恋されて辟易としますが、修理大夫はこうのろけます。

若いころからいつでも恋ばかり追っているおなごでございましてな
しようのないところもありますが
そこがまたかわいいところでもございましてな
かずかずの恋が典侍をいっそうみがき
また若々しくしていくのを見るのも
また 積年の恋人としての楽しみでもございます

(「あさきゆめみし」大和和紀著/講談社漫画文庫1巻より引用)

 誰もがこの境地に辿り着くかはともかく、推し活にハマった女性のパートナーシップのひとつの形ではあると思います。

 世界中のジャニヲタ妻とその夫たちに、円熟の幸あれと祈ります。

(みきーる)