試合後の会見に臨んだ山本(撮影・小林信行)

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 「ナ・リーグ・地区シリーズ、ドジャース−パドレス」(5日、ロサンゼルス)

 開幕投手を任されたドジャースの山本由伸投手は、3回5失点でKOされた。試合後の会見では「厳しいところ、厳しいところを狙いすぎてカウントが悪くなってしまった」と悔やみ、「チームメートにすごく助けられました」と語った。

 右肩痛を乗り越え、つかんだポストシーズン初登板となるマウンド。先頭の首位打者・アラエズにはいきなり三塁線を破られる左前打で出塁を許した。続くタティスの初球にスミスがまさかのパスボール。さらにカウント2−1からフォークがワンバウンドして暴投となり、無死三塁と傷口を広げた。

 タティスを四球で歩かせると、プロファーにもボールが先行した。するとスタンドからは温かい拍手がわき起こった。二ゴロで1点を失うと、なおも1死二塁のピンチ。マチャドは2球で追い込んだが、浮いたスプリットを左中間スタンドへたたき込まれ、本拠地は騒然となった。

 「ピッチングの基本的なことができていなかった」と悔しさをにじませた山本。二回は本来の投球を取り戻して三者凡退に抑えた。大谷の同点3ランで勢いに乗っていけるかと思われた三回、再び四球がからんでピンチを招くと、2死一、二塁からボガーツに左翼線へ2点タイムリーを浴び、勝ち越しを許してしまった。

 この回限りでマウンドを降り「体の状態は良かった。コンディションも問題なく」と語った山本。それでもチームが逆転勝利。九回のピンチをトライネンが抑えると、静かに喜びを噛みしめた。

 「チームメートのおかげで何とか勝つことができたので。次の試合に向かって、勝つために練習していければいいなと思います」と前を向いた山本。第5戦へもつれれば再び先発マウンドに立つことが有力だが「冷静に分析して次の登板に臨めたらなと思います」と語った。