G大阪・宇佐美

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 「明治安田J1、G大阪2−1札幌」(5日、パナソニックスタジアム吹田)

 G大阪が後半追加タイムにFW宇佐美のPKを含む2点で逆転し、10試合ぶり勝利を飾った。試合終了のホイッスルが響くと、宇佐美はピッチにつっぷして歓喜の涙を流した。

 7月20日・湘南戦から前節までリーグ戦9試合未勝利。重い扉をこじ開けた主将は「スタジアムの重い空気がはじける瞬間というのをリアルに肌で感じて、今までで一番感極まった」と振り返った。

 開始早々に先制を許し、0−1で追う展開。終始攻め続けたが、決定機を何度も逃した。後半追加タイムに相手のハンドでVAR判定の末にPKを獲得。これを冷静に決め、同点に追いついた。ここからが宇佐美の本領だった。「レフェリーにあと何分あるか確認し、2分あると聞いて、2分で絶対にワンチャンスあると信じて、絶対にもう一発決めると強い思いをもっていたことでああいうチャンスをたぐり寄せることができた」と試合をコントロールした。

 0−1で落とした前節のC大阪戦から中2日で、この日はベンチスタート。後半20分に出番が来ると、最終盤に逆転劇を演出した。「自分は攻撃の選手なので、勝っている中で0で締めるために出るというより、0−1や0−2で負けている状況のほうが一番燃える」と右足で逆境を切り開いた。

 自身2015年以来の2桁得点に乗せ、数字でも精神面でもチームを引っ張る。「ここ数カ月、全員が苦しかったが、逃げずに立ち向かい続けようと話をした。負けても罵詈(ばり)雑言を浴びせられても、やり続けようと言い続けた。でも言いながらも自分自身で苦しいところはあった。結果で示さないと、とか、チームにどんな言葉をかけられるかとか、考えていた中で一番ハッキリした姿をチームに見せることはできた」と、劇的勝利に沸くサポーターの歓声と拍手の余韻を味わった。