ITプロパートナーズを運営するHajimariは9月26日、「エンジニアのAI活用に関する実態調査」の結果を発表した。調査は9月、20代〜60歳以上のエンジニア300名を対象にインターネットで行われた。

生成AIを活用している場面

調査によると、「生成AIを業務に活用している」人は29.3%。どのような場面で使用しているのかを聞いたところ、「調べ物・問題解決」(18.8%)、「データ分析・可視化」(14.3%)、「コーディング」「設計・アーキテクチャの検討」(ともに12.7%)など、幅広い業務で活用されていることが明らかに。

また、約7割が仕事の成果物の2割以上で生成AIを利用しており、「生成AIの活用により、1日あたりの業務時間がどの程度変化したと感じますか?」と尋ねたところ、活用者の約9割が「劇的に(4時間以上)」(10.2%)、「大幅に(2〜4時間)」(26.1%)、「かなり(1〜2時間)」(21.5%)、「ある程度」(30.6%)の変化を実感。生成AI活用者の約90%が「期待通りまたはそれ以上」の効果を感じていることがわかった。

生成AI導入後に発生した業務や課題

次に、生成AI導入後に発生した業務や課題を聞いたところ、「成果物の品質維持」(21.5%)や「生成AIを活用するための学習の負担が大きい」(20.1%)が多かったほか、「導入・運用コストが予想以上にかかった」(15.1%)、「既存システムとの統合の難しさ」(13.6%)なども課題に。

他方、生成AIを活用していない人にその理由を聞くと、「業務遂行に必要ない」(20.2%)、「技術が十分に信頼できない」(15.3%)、「活用するのが難しい」(14.8%)、「セキュリティリスク」(13.6%)などが上位にあがった。

何があれば生成AIを活用しようと思えますか?

一方で、「生成AIをこれから学びたいと思いますか?」という問いに、55.6%が「強い興味があり積極的に学びたい」あるいは「興味があるので学びたい」と回答。

「何があれば生成AIを活用しようと思えますか?」と聞くと、「業務上の必要性」(24.7%)や「会社の方針など強制力」(11.8%)を求める声が上位に。また「具体的な活用事例や成功事例が増えてくれば」(18.5%)を求める声が多いことや、「周りが使い始めたら」(7.8%)という回答も一定数あることから、まだ生成AIに対して様子見のエンジニアが多いよう。

生成AIに仕事が代替されると感じることはありますか?

最後に、全てのエンジニアに「生成AIに仕事が代替されると感じることはありますか?」と質問したところ、「全く代替されないと感じる」と回答した人は12.0%にとどまり、約9割のエンジニアがAIによる仕事の代替を意識していることが明らかに。

そこで、「生成AIに仕事が代替される可能性にどのように対処していますか?」と尋ねたところ、多くのエンジニアが変化の必要性を感じつつも、「具体的な対策は取っていない」(25.4%)と回答。対策を取っている人の回答としては、「マネジメントスキルを身に付けるなど、生成AIにはできない価値を発揮できるようにしている」(24.6%)や「生成AIをいち早く使いこなし、新しい価値を発揮しようとしている」(22.1%)が多かった。