『相棒』杉下右京も同情…切ない結末に涙する感動回「不幸な出来事としか言いようがありません」
2000年のシリーズ誕生以来、濃密で骨太なミステリーの数々を世に送り出し、“国民的ドラマ”の地位を揺るぎないものにした『相棒』。
杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)の“黄金コンビ”が復活して3シーズン目となる『相棒season 23』は、10月から放送開始される。
テレ朝POSTでは新シーズンのスタートを記念し、『相棒』の多彩なストーリーにスポットを当て、オススメのエピソードを紹介していく。
第3回目は、切ないストーリーが「泣ける」と話題を呼んだ『相棒season22 』第7話「青春の光と影」(2023年11月29日放送)を取り上げる。
◆被害者は嫌われ者のバンドマン。容疑者は全員
ロックバンド『ディープクルー』のボーカル・矢崎(金子昇)が、路地裏で亡くなっているのが発見された。
ディープクルーは同じ高校の仲間たちで結成されたバンドで、22年前に一世を風靡し、わずか2年で解散。再結成に向けて動き出したばかりだった。
警察が酔っ払い同士のケンカによる傷害致死と見て捜査を進めるなか、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)の調査によって、矢崎のバンドメンバーとの遺恨が浮かび上がる。
矢崎は唯我独尊の人物で、22年前の解散も今回の再結成もひとりで勝手に決めたらしい。最近も練習をめぐってメンバーと衝突していた。
また、女性メンバーのひとりはかつて矢崎と交際し、一方的に捨てられたそうで、顔には最近できたと思われる痣があった。
さらに、メンバーが昔作った曲を矢崎が盗用したという話や、マネージャーへのパワハラ疑惑、事務所の社長から多額の借金をしていたという噂も聞こえてくる。
すなわち、すべての関係者に殺害の動機があった。
◆切ないラストメッセージ
誰に殺されてもおかしくない、嫌われ者のロックスター。そんな矢崎だが、捜査の過程で意外な事実が発覚する。
右耳の聴力を失っていたことに加え、最近は左耳の調子も悪くなり、補聴器を使用していたのだ。なぜそんな状況でバンドの再結成を決めたのか…。
特命係が事件の裏に隠された真実を徐々に解き明かしていくと、バンドメンバーたちの“ウソ”が次々と発覚。事件の背景には、彼らが矢崎へ抱いていた複雑な愛憎があった。
そして、嫌われ者だった矢崎の本心は、意外な犯人が罪を告白したラストシーンで明かされる。
杉下右京も「不幸な出来事としか言いようがありません」と思わず同情するほど。あまりにも切ない被害者のラストメッセージに胸が締め付けられる。