「母親の愚痴を聞かされてメンタルがもたない」という読者のお悩みに、産婦人科専門医の高尾美穂先生が解決します。肉親だからこその距離感の難しさや、予想できる原因を教えていただきました。

読者のお悩み:愚痴が多い実母とのつき合い方に悩んでいます

近所に住む実母が、よく愚痴をこぼします。父には言わない反面、私に聞いてほしい圧が重いです。3歳と0歳の子どもの面倒をみてもらっているのでむげにできませんが、私のメンタルがもちません。(Kさん・44歳)

高尾先生の回答:心身ともに余裕がない時期。親と適度な距離感を保って

いくつになっても、親は子どもの世話を焼きたいもの。近所に住んでいればなおさらだと思います。今、母親は子育てを手伝ってくれるありがたい存在なので、愚痴を聞くのはある程度仕方がないことですが、たびたび聞かされるのはたまったものではありませんよね。おそらく相談者さんは母親にとって安心して愚痴をこぼせる、甘えられる存在なのだと思います。

ただ、「親しき仲にも礼儀あり」というように、親子であってもお互いに頼りすぎてしまう関係はあまりよくありません。肉親だけに遠慮がない分、一度こじれると関係が悪化しやすいからです。親であっても適度な距離をおいてほしいものですが、物理的な距離が近いとそれも難しいのかもしれません。

愚痴の原因は無関心の男性陣にもあるのかも?

相談者さんのお子さんは、3歳児と0歳児。上の子はイヤイヤ期にあたる頃ですし、下の子は乳児で、どちらも目を離せない年齢ですから、日々の忙しさは想像を超えるものだと思います。おそらく相談者さんも心身ともにヘトヘトではないでしょうか? それだけに母親の愚痴がしんどく感じるのかもしれません。ですから今は愚痴をまともに受け止めず、聞き流す程度で十分。いずれお子さんが成長し、時間に余裕ができれば気にならなくなるでしょう。

ただ、お話のなかで気になったのは、お2人のパートナーの存在です。子育てや家事に男性陣は参加していますか? 日々会話を交わしていますか? 母親といて疲れるのなら、夫に相談して接触時間を減らせるよう工夫を。また母親の関心が趣味などに向くよう、父親に協力を促すのもひとつの方法です。

もし、いつまでたっても母親の愚痴が減らないなら別のところに根深い問題があるのかも。自分ばかりで抱えず、家族の問題として父親や夫を交えて話し合ってみてくださいね。