国連の「未来サミット」で演説する岸田首相(下段)(22日、米ニューヨークの国連本部で)=工藤彩香撮影

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 【ニューヨーク=工藤彩香】岸田首相は22日午後(日本時間23日未明)、ニューヨークの国連本部で開かれた「未来サミット」で演説した。

 国連安全保障理事会について、ロシアによる拒否権行使などで機能不全に陥っていることを念頭に改革の必要性を訴えた。

 首相は演説で、世界は「歴史の転換点にある」とし、ウクライナ侵略を続けるロシアや覇権主義的な行動を強める中国を念頭に、「力による一方的な現状変更の試みは許されない」と述べ、「法の支配」の重要性を強調した。

 安保理改革については、大多数の国が常任・非常任理事国の議席数拡大を支持しているとし、信頼回復のために来年の国連創設80周年へ向けて「具体的な行動を進めるべきだ」と訴えた。

 「国連に対する日本のコミットメント(関与)は揺らがない」とも明言し、「世界の指導者は多国間主義の名の下に結集しなければならない」と呼びかけた。

 首相は演説後、国連のアントニオ・グテレス事務総長と会談した。グテレス氏は、国連への協力に謝意を示し、両氏は国連を中核とした多国間主義が重要との認識で一致した。