テア・シュテーゲン長期離脱でバルサのGKはどうなる? フリーで獲得できる10名を紹介

写真拡大 (全11枚)

 バルセロナは23日、ドイツ代表GKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンの負傷状況を報告。検査の結果、右膝の膝蓋腱を完全断裂したことが明かされた。

 テア・シュテーゲンは22日に行われたラ・リーガ第6節ビジャレアル戦(○5−1)に先発出場していたものの、1−2で迎えた前半終了間際、ハイボールを処理しようとジャンプした後、着地の際に右ひざを負傷。プレー続行は不可能となり、状態が心配されていた。

 現時点でクラブから離脱期間は明かされていないが、スペイン『ムンド・デポルティーボ』や『マルカ』などの現地メディアによると、約8カ月ほど離脱を強いられる見込みで、2024−25シーズン中の復帰は難しいと予想されている。

 2016−17シーズンから不動のGKに君臨し、今季からはキャプテンも託されたテア・シュテーゲンの長期離脱は、バルセロナにとって大きな痛手だ。テア・シュテーゲンは今季も守護神の座を譲ることなく、ここまで行われたラ・リーガ6試合、チャンピオンズリーグ(CL)の1試合と公式戦全試合に出場。2014年夏の加入以降は公式戦通算420試合でゴールマウスを守っており、近年の“ブラウグラナ”を象徴する存在だ。

 テア・シュテーゲンの負傷後、ビジャレアル戦ではスペイン人GKイニャキ・ペーニャが出場。自身がゴールマウスを守っていた時間はきっちりとクリーンシートに抑えていた。ラ・マシア(バルセロナの育成組織)出身の25歳GKは、2021年にスペイン代表に選出されるなど、その能力に疑いの余地はない。“カピタン”が長期離脱に見舞われた今、今季のバルセロナでゴールマウスを託されるのはペーニャとなる可能性が非常に高い。

 一方で、新たなGKを短期契約で迎え入れるという手段もある。緊急補強の特例措置が認められる可能性もあるが、現在ラ・リーガの移籍マーケットは閉まっているため、基本的には他クラブからGKを引き抜くことは不可能だ。ただし、現在でも所属クラブが決まっていないフリーの選手となると話は異なる。『ムンド・デポルティーボ』は、現在もフリーの状態が続き、バルセロナが獲得可能な10名のGKを紹介している。

[写真]=Getty Images、Icon Sport via Getty Images

◼︎ケイラー・ナバス



 かつて“ライバルクラブ”のレアル・マドリードで公式戦通算162試合に出場し、前人未到のCL3連覇を経験した元コスタリカ代表GKは、昨季限りでパリ・サンジェルマン(PSG)との契約が満了を迎え、現在はいずれのクラブにも所属していない。ビッグクラブでの豊富さは今さら指摘するまでもなく、PSGを挟んで“禁断の移籍”が成立することがあれば、大きな話題となるだろう。

◼︎ジョルディ・マシップ



 クラブ哲学を知るラ・マシア産という点では、マシップという選択もある。昨季限りでバジャドリードを退団した35歳は、バルサ・アトレティック(Bチーム)で経験が豊富で、ペーニャの先輩にあたるGK。トップチームでも公式戦4試合でゴールマウスを守ったことがある。2017年夏にバルセロナから完全移籍でバジャドリードに旅立っていたため、今回獲得するようなことがあれば、マシップにとっては“古巣復帰”となる。

◼︎エドガル・バディア



 ナバス、マシップに続き、ラ・リーガでの経験が豊富なGKがバディアだ。エスパニョールのカンテラ出身のGKで、これまでにエルチェやエスパニョールでプレー。エルチェではラ・リーガ通算90試合に出場している。今季もエルチェでシーズンをスタートさせていたが、移籍市場最終日に突如として契約を解除。32歳とGKならばまだまだ戦える年齢だが、現在も所属先が決まっていない。

◼︎トマーシュ・ヴァツリーク



 ラ・リーガでの実績を誇るGKは3名だけではない。現在35歳の元チェコ代表GKは、セビージャで2シーズンにわたって正GKに君臨。在籍最終年となった2020−21シーズンはモロッコ代表GKボノ(現:アル・ヒラル)に正守護神を譲ったが、ラ・リーガ屈指のGKとして名を馳せていた。チェコ代表としてもEURO2020で正守護神を務めており、国際経験も豊富。昨季はアルバセテのセグンダ残留に大きく貢献していた。

◼︎ジリ・パブレンカ



 現在32歳のパブレンカはラ・リーガでの経験はないが、ブンデスリーガ長らく活躍してきたGKだ。2017年夏にスラヴィア・プラハからブレーメンへ加入すると、昨季までの7シーズンで公式戦通算221試合に出場。チェコ代表でも国際Aマッチ通算21試合でゴールマウスを守っている。今夏にブレーメンを離れ、サウジアラビアのクラブへ移籍する可能性が取り立たされていたが、現時点で移籍は成立していない。

◼︎ロリス・カリウス



 リヴァプールで2017−18シーズン途中にレギュラーの座を掴み、CL決勝でゴールマウスを守ったカリウスも現在はフリーだ。これまでブンデスリーガ、プレミアリーグ、スュペル・リグ(トルコ1部リーグ)でのプレー経験がある31歳のドイツ人守護神は、2022−23シーズンよりニューカッスルに在籍。第3GKとして過ごす時間が長かったが、2022−23シーズンのカラバオ・カップ(EFL)カップ決勝ではライバルの負傷により出番が到来し、安定感のあるパフォーマンスを見せていた。

◼︎エトリト・ベリシャ



 ベリシャはアタランタやラツィオなどセリエAのクラブを中心に活躍してきた。35歳ながらアルバニア代表としても活躍を続けており、EURO2024予選の突破に貢献。本大会ではメンバーに選出されながら、出番がなかった。昨季前半戦はエンポリで正守護神として活躍しながら、シーズン途中でポジションを明け渡すと、負傷の影響もあって苦しい時間を過ごし、退団が決まっていた。

◼︎トマーシュ・コウベク



 ヴァツリーク、パブレンカに続き、コウベクもチェコ代表歴を誇るGK。2019−20シーズンより加入したアウクスブルクでは、加入直後こそ不動の存在としてゴールマウスを守ったが、2年目から出場機会が激減。5年間の在籍で公式戦通算40試合に出場し、今夏にクラブに別れを告げていた。

◼︎アレクサンドル・ルテリエ



 現在33歳のムテリエは、PSGのアカデミーで育ったGK。スイス・スーパーリーグやエリテセリエン(ノルウェー1部リーグ)でもプレーしたことがあるが、キャリアのほとんどをリーグ・アンで過ごしており、2020−21シーズンから昨季まではPSGの一員だった。PSGでは公式戦2試合のみの出場にとどまり、昨季限りで退団が決まっていた。

◼︎コスタス・ランプルー



 現在33歳の元ギリシャ代表GKは、フェイエノールトやアヤックスなど、エールディヴィジの強豪クラブに所属した経歴を誇る。これまではオランダ一筋でプレーしており、エールディヴィジでは公式戦通算186試合に出場。今年夏にフェイエノールトとの契約が満了となったが、思わぬ形でのステップアップは実現するだろうか。