二塁に滑り込んだ直後…(C)日刊ゲンダイ

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 優勝目前で首位打者の姿が消えた。

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 昨17日、ソフトバンクの近藤健介(31)が登録抹消。16日のオリックス戦で盗塁をした際に右足を痛め、悶絶。しばらく立ち上がれなかったが、そのままプレーを続け、次の打席から途中交代。試合中に病院に直行した。

 近藤はもっか打率.314でパの首位打者。リーグ5位の19本塁打、同4位の72打点と、ホークス打線の要とも言える中軸不在となれば、その影響は計り知れないだろう。

 しかし、ホークスOBの山内孝徳氏は「これがCSや日本シリーズまで響くケガならば激震ですが」と、こう続ける。

「私の見た印象だと、捻挫かそれに類するものではないか。おそらく、CSまでには戻ってこられると思う。だとすれば、開幕から全試合に出ずっぱりだった近藤にとっては、悪くないタイミングでの休養になる。もちろん、打線の要の近藤がいなければ、優勝が何試合か先に延びるかもしれないが、チームにとってはプラスの材料の方が大きいのではないか」

 どういうことか。

「例えば、4番の山川です。これまで山川は、5番に近藤がいたことで自分の打撃だけに専念できた。近藤が不在となれば『自分が確実に走者をかえさなくては』と長打にこだわらない意識が芽生えるかもしれない。そこは研究熱心な選手ですからね。投手の立場から言えば、フルスイングが持ち味の山川対策は緩急を駆使し、高めの抜け球に気をつけること。いずれもリーグ最多の31本塁打、141三振の山川が確実性を意識するようになれば、対戦相手としてはたまったものじゃありませんよ。小久保監督も近藤の穴をどうカバーするか頭を使い、さまざまなオーダーや選手起用を試すはず。それはCSの準備という意味で、決して無駄になりません」

 パは現在2位の日本ハムが勢いを増している。連日のようにナインが決起集会を行い、チームのムードは最高潮。ソフトバンクは2年連続CS敗退のトラウマがあり、ハムを食うどころか食われかねないが……。

「ソフトバンクも右足の肉離れで6月に戦線離脱した柳田がCSまでに復帰濃厚。近藤と同時に戻ってこられれば、これ以上なくチームは盛り上がる」(山内孝徳氏)

 近藤離脱は回り回って、最後の起爆剤となりそうだ。

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