中国、イスラエルの安保理決議履行に向け「米国は実際の行動を」

ガザ地区南部ハンユニスで避難する人々。(7月22日撮影、ガザ=新華社配信)

 【新華社国連9月17日】中国の耿爽(こう・そう)国連常駐副代表(次席大使)は16日、国連安全保障理事会のパレスチナ・イスラエル問題を巡る公開会合で演説し、米国に対し、責任ある態度を示し、当事者への重要な影響力を行使し、イスラエルによる安保理決議の履行と軍事作戦の即時停止を推進する実際の行動を取り、苦しみの渦中にあるパレスチナの人々に生きる希望をつなぐことを求めた。

 耿氏は次のように述べた。安保理の4度にわたる決議採択や、国際司法裁判所(ICJ)による暫定措置命令、国連その他の人道機関の多大な努力にもかかわらず、ガザの人道状況は悪化の一途をたどり、国際法、とりわけ国際人道法に違反する行為が後を絶たない。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、パレスチナ難民の救済事業を国連総会から委任され、ガザにおける人道支援の中心となっている。最も危険な時期にもUNRWAはガザにとどまり、これまでに224人の職員が犠牲となった。中国はイスラエルに対し、人道支援従事者に対する全ての攻撃について真剣に調査し、責任を追及するよう求める。

 ポリオのワクチン接種が実施できたことは、当事者に政治的意志さえあれば、ガザにおける人道活動の拡大は問題なく実現できることを十分に示している。中国はイスラエルに対し、生命と人道の観点に立ち、国際人道法上の義務を履行し、封鎖の解除と全ての検問所の開放を直ちに行い、人道物資の搬入制限を取りやめ、国連その他の人道機関に対する攻撃と抑圧を停止し、人道機関の援助実施に安全の保障と便宜を提供するよう改めて求める。

 停戦と戦闘の終結、殺りくの停止を強く求める国際社会の再三の呼びかけにもかかわらず、イスラエルの軍事行動は一向にとどまらず、すでに4万1千人以上のパレスチナ民間人が死亡していることは、衝撃的で信じがたい。国際的な平和と安全を守るための主要機関である安保理は、なぜ今日に至るまでこの人類の悲劇を止めることができずにいるのか。分析で指摘されているように、米国の度重なる妨害がなければ、安保理は衝突発生時の早い段階で停戦を求める決議を採択できたはずだ。米国の度重なるかばい立てがなければ、複数の安保理決議がこれほど公然と拒否されることはなかっただろう。中国は、戦闘の早期終結、人道的惨事の緩和、地域の平和の実現のため安保理がさらなる行動を取ることを支持する。