米テレビ界の最高峰とされる「第７６回エミー賞」の発表・授賞式が１６日（現地時間１５日）、ロサンゼルスで行われた。俳優の真田広之（６３）が主演・プロデュースを務めた連続ドラマ「ＳＨＯＧＵＮ　将軍」（ディズニープラスで配信中）で、日本人俳優初の主演男優賞を獲得した。主演女優賞も同作に出演した日本人女優のアンナ・サワイ（３２）が受賞。

　日本人女優による主演女優賞は史上初の快挙。サワイは発表の瞬間、母親とハグを交わし、喜びを爆発させた。涙腺が崩壊し、あふれる涙をハンカチで拭いながら登壇した。

　英国人航海士・按針（コズモ・ジャービズ）の通詞（通訳）であり、虎永（真田）の元で戦乱の世を力強く生き抜いた鞠子をミステリアスに演じた。「素晴らしい賞をありがとうございます」と興奮気味に英語でスピーチ。プロデューサーでもある真田には「彼は私のような俳優にドアを開いて、チャンスを与えてくれました」と感謝を述べた。

　鞠子は明智光秀の娘でキリシタンの細川ガラシャがモデル。謀反人の娘であることに悩む複雑な役どころで、なぎなたを使った殺陣にも挑戦した。「この受賞は、全ての女性のためのものです」と喜びを語り、常に寄り添い、支えてくれた母親に「あなたのおかげで、今ここにいます。あなたのおかげで、鞠子をうまく演じることができました」と呼びかけた。

　ニュージーランド生まれの日本育ち。１２歳の時に日本でミュージカル「アニー」に主演し、２００９年にハリウッド映画「ニンジャ・アサシン」で映画デビュー。１３年からはダンスボーカルグループ「ＦＡＫＹ」でリーダーを務めた。１４年にはスポーツ報知のインタビューに応じ、「３年後に世界ツアー」と夢を語っていた。

　近年は堪能な英語と確かな演技力を生かし、世界的に活躍。１９年には平岳大が主演した英ＢＢＣの配信ドラマ「Ｇｉｒｉ／Ｈａｊｉ」に出演した。