黒島結菜(C)日刊ゲンダイ

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 今年1月、宮沢氷魚(30)と"入籍という形にこだわらない"事実婚を発表し世間を驚かせ、7月には第一子を出産した黒島結菜(27)。その黒島が出演している『夏目アラタの結婚』(ワーナー・ブラザース)が順調に観客動員数を伸ばしている。6日の公開から3日間の観客動員数は約8万7400人、興行収入は約1億2550万円で、筆者の試算によると最終興収は約6億円前後の高い数字になりそうだ。

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 今作の公開前は、朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』や検事志望の大学生を演じた『クロサギ』(TBS系)といったピュアな役どころが多かった黒島。これまでから激変した汚れ役を演じることに戸惑うファンも多く、「元々線が細い彼女に、そんな大胆な役どころが務まるのか」と不安視する声も上がっていた。しかし、黒島は見事そんな心配を吹き飛ばしてみせた。3人の男性を殺害し、遺体を切り刻んで遺棄した死刑囚を演じる黒島の怪演を絶賛する声が後を絶たない。これまで黒島がヒロインを務めて成績の良かった映画といえば、2019年12月に公開された『カツベン!』(東映)くらい。それも最終興収が約3億2000万円だから、今作は柳楽優弥(34)の演技に引っ張られた感はあるものの、新たな代表作になったのは間違いないだろう。

■「モンスター」で連続殺人犯で大成功したシャリーズ・セロンの例

 そして「夏目アラタ」の口コミや映画評を見てみると、黒島について「女優として新境地を開いた」「圧巻の演技を知らしめた」という意見がほとんど。もっとも、ベテラン芸能関係者からは「この一作だけで演技派女優に大きく躍進したというには時期尚早ではないか」という指摘もあった。

「所属事務所としてもこのキャスティングでの映画出演は大きな賭けだったと思います。これまで清楚で透明感のある役どころを演じてきた彼女が、事実婚とシングル・マザーを選択したことで、やはり視聴者の黒島の見方も変わってくるでしょう。そこで大胆なイメージ・チェンジを仕掛けた戦略は大成功したわけですが、大事なのはこの次ですよね」(芸能関係者)

 また、ある映画関係者は有名ハリウッド女優の例を引き合いに出してこう説明する。

「清純派で売っていた女優が、ある日突然、外見も容姿もこれまでとは全く違う役柄を演じれば"これは凄い!"となるのは当然です。ハリウッドでは2003年、スタイルも容姿も抜群のシャーリーズ・セロンが、『モンスター』という映画で連続殺人犯を演じるために23キロ増量し、髪はボサボサでくわえタバコをくゆらし、その"だらしない身体"を見せつけました。それまでの彼女はモデルやお人形のような扱いでしか女優をしてこなかったわけですから"これは凄い!"と大きな話題になりました。ただ彼女はそれで終わりじゃなかった。次々と新しいシャーリーズ・セロンを見せ、"飾り物"でないことを証明していったのです。黒島もこの後、どんな"女優・黒島結菜"を見せてくれるのかで真の評価に繋がるのでは」

 新しい家族の形を選択した黒島はシャリーズ・セロンのようになれるのだろうか。

(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)

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 今年1月に黒島と宮沢氷魚の事実婚が発表された当初は、なんとも言えないビミョーな雰囲気が流れた。●【もっと読む】「ちむどん事実婚」にSNS困惑…黒島結菜は女優として瀬戸際、宮沢氷魚の“惚れっぽい”過去発言も心配…に詳しいが、そんな逆風を吹き飛ばし、映画をヒットさせた黒島は立派。