映画『ベイビーガール(原題)』よりニコール・キッドマンとハリス・ディキンソン
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 第49回トロント国際映画祭でA24製作のエロティックスリラー映画『ベイビーガール(原題) / Babygirl』が上映された。主演のニコール・キッドマンはインターンと危険な関係を持つCEO役で体当たりの演技を披露しており、先んじて行われた第81回ベネチア国際映画祭では最優秀女優賞に輝いていた。

 『BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ』のハリナ・ラインが監督・脚本を本作。CEOとして成功しているロミー(ニコール)は舞台演出家の夫(アントニオ・バンデラス)と今もラブラブだが性生活に満足しておらず、密かに抱き続けていた“支配されたい”という願望を生意気なインターンのサミュエル(『キングスマン:ファースト・エージェント』のハリス・ディキンソン)に見抜かれ、彼と危険な関係を始めるさまが描かれる。

 夫婦の寝室を抜け出して一人ポルノを観るという冒頭シーンから、切実でありながらおかしみもあるニコールの大胆な演技にプレス試写ではしばしば笑いが起こった。ボトックスを打った顔を娘に「死んだ魚みたい」と揶揄されるというなかなか攻めたシーンも。インターンに手を出したことがバレればCEOのロミーはおしまいだが、サミュエルはロミーの家にまで現れるようになっていく。

 ロミーや彼女の夫ら旧世代がくよくよと気にする一方で、サミュエルやロミーの娘をはじめとした新世代がさっぱりしたオープンな考えを持っているのも面白いところ。なお、ニコールは母親の突然の死にベネチア映画祭授賞式を欠席して故郷オーストラリアへ戻っており、トロント映画祭も欠席した。(編集部・市川遥)

第49回トロント国際映画祭は現地時間15日まで開催