2児の父親でもある、お笑い芸人のサバンナの八木真澄さん(50歳)。じつは倹約家でファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持っています。「お金がなくても満たされる方法はある。大富豪かどうかは自分が決める」と話す八木さん。FPとして読者へお金について役に立つアドバイスを『年収300万円で心の大富豪』(KADOKAWA刊)から抜粋して紹介します。

ローンの重圧

賃貸と購入。家賃とローンの支払いだけを見たら購入した方が得だったりします。でも、ローンを組むことの、精神的な重圧は加味されていません。

ローンがなければ自由です。借りていなければ、持っているお金はすべて自由。

世のなかには、100万円で金持ちと感じる人もいれば、1000万円でも貧乏と感じる人もいます。個々それぞれ違うのです。

ただ、ローンはリアルです。

確実に返さなければいけないお金。

数字だけで単純に比較するのではなく、精神的な重圧も考慮しましょう。

20万円と30万円は3倍の違い

月収20万円と30万円の差は1.5倍です。単純に考えるとこうなります。

芸人をやっていると、毎月もらえる額に波があるのですが、いちばん、体感として違いがあったのは、30万円をもらったときです。

使える額が一気に増えた、という感覚になりました。

要因は固定費です。仮に15万円とします。

20万円稼いだ場合、固定費が15万円、使える額が5万円。

30万円稼いだ場合、固定費が15万円、使える額が15万円。

3倍違うのです。

月に18万円稼いだなら使える額は3万円。

5倍違うのです。

18万円と30万円では、使える額が5倍です。全然違います。

稼いだからといって、家賃が上がるわけでも、年金が上がるわけでもありません。一定なのです。

大切なのは、まず固定費を下げることです。

多く稼いでも、給与が上がっても、固定費を上げないことがポイントだと思います。

できる限り、固定費を下げましょう。

住宅資金がかなり重要

住宅資金、教育資金、老後資金。この3つが大きいですね。

老後資金は、サラリーマンなら、厚生年金である程度まかなえます。

教育資金は、学資保険をかけておけば、大学の学費までカバーできます。

問題は住宅資金。

ここを無理すると、一生キツくなります。人生において、いちばん大きな買い物です。

カッコいい家ではなく、住みやすい家。無理なく払える金額。

かなり重要な要素だと思います。

相続税を意識しておく

相続税の対策を事前にしておくことは大切です。

団信に入っていれば、被保険者が亡くなったらローン残高がゼロになり、住宅は資産になります。

妻が1人、子どもが2人の場合、相続財産が4800万円以上なら、相続税がかかります。

対策の1つとしては、生命保険に資産を入れておくことです。500万円×法定相続人数まで非課税です。

また、暦年課税で、もらう人ごとに、年間110万円までの贈与が非課税となり、110万円以内であれば申告も不要です。

妻と子どもに資産を移しておくと、相続する側はだいぶ助かります。

勝てないけど負けないことはできる

投資、難しいです。上がるか、下がるか、本当にわかりません。

でも、勝つことは難しいですが、負けないようにすることはできます。

外貸、株、国債、リート等に分散しておくのです。

シーソーの真ん中に置いておきます。

相関係数というものがあり、マイナス1というのが、リスクヘッジできている状態です。

負けるのが嫌、減らすのが嫌な人は、相関係数マイナス1にしておけば安心です。