塾や学校、週末には野球のお手伝いまでこなし、毎朝8合のお米を炊いて男4人を育て上げた白城あやかさん。2年前に四男が海外の学校に通うようになり、20年ぶりに多忙を極めた子育てから解放された今、親として子どもたちに思うことは── 。(全3回中の3回)

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2キロのハンバーグを焼いて私は一個も食べてない


── 長男(25)、次男(21)、三男(19)、四男(17)と4人のお子さんがいらっしゃいます。子育てが一番大変だった時期はいつくらいだと思いますか?

白城さん:長男が小学6年生、次男が1年生、三男と四男が幼稚園の年中・年少のときでしょうか。塾や学校、幼稚園の送迎時間がバラバラだったのと、毎週末は4兄弟が野球をしていたので親もお手伝いに行っていたんです。洗濯物が多くて1日5、6回まわしていました。

長男が中学に上がると毎日のお弁当作りが始まったし、お米は毎朝8合、夜は5合炊いていて。1か月で40キロくらいお米を消費していたのかな。とにかく子どもたちにたくさんご飯を食べさせないといけないと思って、2キロのお肉でハンバーグを作って私は一個も食べてないこともありました(笑)。日々、慌ただしくてにぎやかで、ひとりでホッとする時間はなかったです。

── かなりお忙しそうですが、息子さんたちは反抗期などあったのでしょうか?

白城さん:反抗期はあってもうっすらって感じでしょうか。私がハッキリ言ったんですよ。「今、反抗期だと思うけど、そこにじっくり向き合ってる時間がないからやめてくれる?毎週野球の手伝いに行くし、あなたたちのせいで月火水木金土日休みないんだから!」って。子どもたちも好きなことをさせてもらっていると思ったのか、なんとなく素直に受け入れてくれたような…。あと、男の子4人ですが兄弟ゲンカはなかったですね。子どもたちは格闘技が大好きで、那須川天心さんとか朝倉未来さんが好きなんです。たまに「暴れてる…!」と思って行ってみたら、ただ格闘技の技の掛け合いをしているだけだったとか、そういうことはありました。

── 旦那さんはとても優しそうですが、お子さんたちに怒るようなことはありましたか?

白城さん:もちろんありました。でも、だいたい怒り始めは私なんですよ。「みんな並びなさい!」と言って子どもたちを並ばせて怒っていると、主人は「え?何かあったんだ…」と。これは自分も言わなきゃいけないんだと察して一緒に怒ることはありましたが、主人から「これはダメなんじゃない?」と怒ることはなかったです。そもそも気づかない。私がひと通り言った後に「そういうのはダメだよね」って後から言うタイプなんです。主人は14、15歳で東京に出てきましたが、群馬にいたころから反抗期はなく、親からあまり怒られることもなかったみたいなので、そうした影響はあるのかもしれませんが。

── では、お子さんが4人いてよかったなと思うことはどんなことですか?

白城さん:家のなかで社会ができてるんです。長男だけ少し年齢が離れていましたが、私がご飯を作っているときも次男、三男、四男で遊んでいたり、お兄ちゃんが勉強を始めると自然と自分もやらなきゃとなったり。私が口を出さなくても兄弟から学ぶこともあって助かりましたね。

また、4兄弟といっても縦社会のような感じではなく、大人になるにつれて友だちのような関係になっていますね。特に、長男と四男は8歳離れていますが、長男は大学の寮に入っていたので四男とは関わる時間が少なかったと思うんです。でも、今は時間が合えば一緒にサウナに行ったりキャッチボールをしたり、長男もみずからコミュニケーションをとる時間をつくってくれたりしているし、四男も何か長男に相談したりと、いい関係性になっているなと思います。

そのときだけ、思い出す人でいい


── お子さんたちが成長されて、長男の翔貴さんは俳優に、次男は大学生、三男、四男は海外の学校に通われてから、多忙だった時代にくらべて生活も変わっていったのでしょうか?

白城さん:2年前に三男、四男が海外の学校に行ってから生活が一変しました。お弁当作りから解放されたし、洗濯物が減ったし、睡眠時間もたっぷりとれて、ここ数年はよく眠れています(笑)。何より自分の時間が増えました。ようやく20年ぶりにやりたいことをやっていて、今はガラス工芸を本格的に習いに行ったりして楽しいですよ。

── あまりにもにぎやかだった生活からお子さんたちもそれぞれの道を進みだして、寂しさを感じることはありますか?

白城さん:みんなに「寂しくない?」ってたまに聞かれるんです。たしかに三男と四男を空港に送り出すときは「あー、行っちゃった」って思いますが、家に戻ったら長男と次男もいて、いつも通りご飯も作りますし。寂しさは送り出したときだけですね。今はリモートでも定期的に話をしているので、顔を見ながら話ができるのは今の時代のよさだなと思います。

── どれくらいの頻度で連絡されるんですか?

白城さん:1週間に1回とか、用がなければ連絡してこないですし、私からもよっぽど何かない限りは連絡しないようにしています。彼らがアートの授業でこういうものが必要だから送ってくれる?と言われたら送ったりするくらい。彼らのリクエストにはしっかり応えようと思いますが、自分から「ああしなさい、こうしなさい」とはあえて言わないようにしています。20歳前後ともなれば自分たちの世界がしっかりあるので、親を思い出すことはそんなにないんじゃないかなって思うんですよね。でも、それは逆にいいこと。海外で充実した学校生活を過ごせているだろうから、こっちから連絡しなくてもいいんじゃないかと思っています。何か困っているときに連絡が来るので、そのときだけ思い出す人でいいやって思っているんです。

PROFILE 白城あやかさん

しらき・あやか。元宝塚歌劇団・星組トップ娘役として活躍し1997年3月に退団。98年6月にタレントの中山秀征と結婚。4人の子どもの母。

取材・文/松永怜 写真提供/白城あやか