たれに「プラズマ乳酸菌」が500億個!? 「免疫ケアができる納豆」をキリンとタカノフーズが共同開発
納豆業界初、免疫機能の機能性表示食品が9月1日に登場します。キリンとタカノフーズが共同開発した、「すごい納豆ゴールド プラズマ乳酸菌たれ付」です。たれ1袋に「プラズマ乳酸菌」が500億個含まれています。8月19日に開催された新商品発表会にて、おひろめされました。
「プラズマ乳酸菌」とは、免疫の司令塔とされる「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」に直接働きかけられる乳酸菌。2週間以上摂取し続ければ、安定して免疫が維持されるという科学的エビデンスがあります。
そのプラズマ乳酸菌が入った「たれ」とはいったい。味に特徴はあるのでしょうか?試食レポートと共に、発表会の模様をお伝えします。
発表会に登壇したタカノフーズ執行役員・営業推進部門の寺岡義政さんによると、約2年の開発期間を経て、ようやく商品化に至ったそう。商品名に「ゴールド」とある通り、普通の納豆よりもワンランク上の特別感を出すべく、特徴を具現化する議論を両社で何度も重ねたと言います。
注目ポイントはやはり、たれ。納豆業界初の「免疫ケア」商品と銘打つうえで、苦労がありました。寺岡さんいわく、「プラズマ乳酸菌」と「納豆菌」が多数存在する中で、機能性関与成分の「プラズマ乳酸菌」量が規定量配合されていることを証明する方法を探すのに骨を折った、とのこと。
いざ、実食です。パックを開けると、豆が思った以上に大きくてビックリ! 中粒以上の国産大豆を使っているので、食べ応えがありそうです。たれとからしをかけ、よく混ぜてから頂きます。
ふっくらとしていて柔らかい食感で、豆の風味がふわっと広がります。たれは、鰹節、昆布、煮干しの3種のエキスを使用した、旨みのある味わい。香りや舌触りに、特に気になるところはなく、おいしい「納豆のたれ」という印象でした。
ご飯と一緒に食べてもおいしいでしょうが、納豆だけでもボリュームがしっかりあります。2パックで、1日に必要なプラズマ乳酸菌の摂取目安量になるので、朝はおかずとして、夜は納豆ご飯にして主食として、なんて食べ方ができそうですね。
■すごい納豆ゴールド プラズマ乳酸菌たれ付
容量 :40g×2パック
添付品 :プラズマ乳酸菌入りたれ、からし
発売地域 :北海道を除く東日本エリアで発売
青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、新潟県、富山県、長野県、
山梨県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県(一部)
希望小売価格:255円(税抜)
プラズマ乳酸菌入りの野菜飲料2種も発売
発表会では、9月3日発売の「キリン おいしい免疫ケア 野菜 1日分(以下、野菜 1日分)」と「キリン おいしい免疫ケア 野菜と果物 1食分(以下、野菜と果物 1食分)」もお目見えしました。それぞれ、プラズマ乳酸菌が1000億個配合されています。
「野菜 1日分」は、トマトとにんじんを中心に、31 種類の野菜をブレンド。試飲すると、野菜の甘味と酸味がはっきり感じられました。一本飲みきると「濃厚な野菜ジュースで、栄養を補給したぞ!」感があり、お腹にしっかり溜まります。小腹満たしにもなりますね。
対して「野菜と果物 1食分」は、にんじんとりんごを中心に30種類の野菜と2種類の果物をブレンド。「野菜 1日分」と比べるとスッキリとした飲み口で、甘みが前面に出ている印象。あっという間にゴクゴク飲み干してしまいました。野菜感が強すぎるジュースだと飲みにくい人にとって、気軽に取り入れやすそうです。
キリンビバレッジ社マーケティング部の増田健志さんは、野菜飲料は「栄養補給目的に飲用」されており、「朝に習慣的に飲まれる傾向」にあると説明。さらに近年、機能性野菜飲料カテゴリーは平均伸長率が高い水準で推移しているといいます。そこで同品の発売を通じ、野菜飲料カテゴリーにおいて「免疫ケア」を提案するに至ったのだそう。
■キリン おいしい免疫ケア 野菜 1日分
容量・容器 :330ml・プリズマ紙容器
発売地域 :全国
希望小売価格:184円(税抜)■キリン おいしい免疫ケア 野菜と果物 1食分
容量・容器 :330ml・プリズマ紙容器
発売地域 :全国
希望小売価格:184円(税抜)
キーワードは、免疫ケアの「習慣化」
発表会冒頭、説明に立ったキリンホールディングス社・ヘルスサイエンス事業部の鈴木侑磨さんは、ある意外な調査結果を引用しました。
キリンが2022年9月に、20〜69歳の男女1万人を対象として行った調査で、約85%が「免疫は健康のために必要だ」と回答した一方、「免疫ケア習慣がある」人はごく一部(約11%)に留まっているといいます。「毎日」と回答した人が5.9%、「月1回以上」まで広げても、わずか5.3%のみです。意識と行動の間にはギャップがあり、その原因には、免疫の必要性が強く感じられていないことや、免疫ケアのための行動はハードルが高いことなどがあると同社は分析しています。
習慣的・継続的に「免疫ケア」に取り組んでもらうためには、ユーザーが取り入れやすいカテゴリーから商品を展開するのが適切との考えがあり、「習慣的な引用が期待できる野菜飲料」、「食卓で習慣的に食べられる納豆」から、それぞれ新製品を発売するに至ったそう。
実際、納豆は「習慣的に食べられている」と言ってよさそうです。全国納豆協同組合連合会が23年に行った調査では、納豆を食べる頻度について「毎日」と答えた人は18.9%。この数値は、直近10年で過去最高です。以降も、「2〜3日に1回(22.1%)」、「4〜5日に1回(8.3%)」、「1週間に1回くらい(14.1%)」と、少なくとも1週間に1回食べている人だけで6割を上回ることがわかっています。納豆を食べる頻度が増えた理由のトップは「健康効果があるため」。納豆が体にもたらす良い効果に期待し、定期的に取り入れている人が少なくないことがわかりますね。
キリンが納豆……?と意外に思った人もいるかもしれませんが、同社の技術力の原点はビールづくり。培ってきた「発酵・バイオテクノロジー」には自信があるのだとか。
同社はプラズマ乳酸菌事業において実績を既に持っていて、実は売上収益500億円を目指す勢い。今回のタカノフーズとの連携によって、さらなる発展が期待できそうです。ユーザーにとって、免疫ケアの選択肢が飲料やサプリ以外にも増えるのはうれしいことですね。