歌手であり声優の小林愛香が8月21日、2ndフルアルバム『Illumination Collection』をリリースした。2021年6月リリースの1stフルアルバム『Gradation Collection』に続く『Illumination Collection』は、心に光を灯していくような楽曲をイルミネーションになぞって集めた作品だ。

◆小林愛香 画像 / 動画

収録は全12曲。音楽プロデューサーチームQ-MHzによるリード曲「Lonely Flight」をはじめ、そのメンバーである田代智一と田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)主宰ソーシャルメディア番組『アニソン派』のクリエイターコンペで採用された3曲、佐伯ユウスケをフィーチャリングボーカルに迎えたRAP曲「YARUSHIKANAI feat. 佐伯ユウスケ」、小林愛香自身がショルダーキーボードを演奏する「Breakthroughだ!」、自ら作詞に参加した「Can Can One One」など、新たな魅力を詰め込んだ楽曲が光り輝く仕上がりだ。

「メジャーデビューしてからみなさんとの出会いで、わたしの色がこんなにも増えたんだよって」とは小林愛香の言葉だ。『Illumination Collection』に収録された多彩な楽曲は、歌手としての小林愛香の可能性を大きく広げることに成功した。裏を返せば、自身の表現力の豊富さが様々な楽曲を呼び込んだと言い換えることもできる。収録全12曲について、またメジャーデビューから現在までの歩みについて、じっくり訊いたロングインタビューをお届けしたい。


   ◆   ◆   ◆

■6時間かけてみっちり歌った曲も
■足もガクガクなりながら歌い続けました


──シンガーとしてのメジャーデビューが2020年ですから、デビュー以降、長らくコロナ禍での活動が続いたことになりますね。

小林:2020年2月26日がデビュー日で。緊急事態宣言は2020年3月からだったんですけど、デビュー日くらいから、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府がイベント開催の中止や延期を要請していたので、デビュー記念リリースイベントもできなかったんです。“これからどんなキラキラした1年が始まるんだろう”とワクワクしていたので、びっくりしたし大変でした。

──ライブへの規制は想像以上に長く続きましたから。

小林:それでも規制のなかで、違う形でいろいろなチャレンジができたし、あの時があったからこそ今があると信じているんです。そして今、やっと皆さんに直接音楽を届ける機会がきたんだなと感じています。

──日常が戻りつつある中での2ndフルアルバム制作だったと思いますが、どんな作品にしようと考えていたのでしょうか?

小林:まず、1stフルアルバム『Gradation Collection』を発表したのが約3年前(2021年6月)になるのですが、当時、“アーティストとしてどんなふうに歩んでいきたいのか”をプロデューサーの田代智一さん(Q-MHz)と話していて。そのときにテーマカラーを聞かれたので、「透明とか白。何色でもないし、何色にもなれる人になりたいです」と返したら、「それはグラデーションということだね」という素敵な言葉をいただいたんですね。1stフルアルバムの『Gradation Collection』は、それがコンセプトになりました。バリエーションに富んだ曲が収録されているけれど、段階的な変化=グラデーションだから、その全部が私なんだって言い切ることができるというか。そういう作品として作ることができたんです。


──なるほど。

小林:そしてコロナ禍を経て、こうして皆さんに楽曲を届けられるようになり、念願の2ndフルアルバム制作がスタートしたんですけど。“自分は何を表現していきたいのだろう”と改めて考えたときに、“皆さんの人生を彩るような楽曲を届けたい”と思ったんです。もともとそういう気持ちを軸に活動してきたし、振り返れば私のそばにはいつも音楽があった。音楽って、心を灯したり照らしたり、導く光にもなると思うんです。それってイルミネーションっぽいじゃないですか。そこからアルバムタイトルは前作から韻を踏むように『Illumination Collection』にしたんです。

──小林さんのそばにはずっと音楽があったんですね。

小林:はい。物心ついたときから安室奈美恵さんが大好きで、安室奈美恵さんの音楽と共に、今があるという感じなんです。私も誰かにとってのそういう音楽を作りたいと思ったんですね。皆さんの毎日が、より輝くような音楽を届けていけたらいいなって常々思っています。

──その思いは歌詞からも感じられました。ところで小林さんはご自身を“陽キャ”か“陰キャ”か、どちらだと思いますか?

小林:陰キャだと思います(笑)。物事はポジティヴに捉えたい派ではあるんですけど、たとえばネガティヴになっちゃうと、一生ネガティヴになってしまうタイプというか。すべての物事をマイナスに捉えるモードになってしまうので、ポジティヴな方向にすべてを持っていくように、常日頃から心がけているんです。


──アルバム『Illumination Collection』からは、すごくポジティヴなオーラを感じたんです。小林さんは、きっと根っからポジティヴで、光で照らしてくれる人だと思いました。

小林:でも、今回のアルバムには嫉妬をテーマに書いた曲もあるんですね(笑)。「BUMMER, BUMMER」なんですけど、一般的にはマイナスに捉えられるような嫉妬心も、人間誰しも持っているもので、そういう曲も歌いたかったんです。でも、おっしゃるようにネチネチとした嫉妬というよりも、“そっちを選ぶなんて、ホントにどうかしてる”という、さっぱりとした嫉妬なので、私らしさは出ているのかなと思います(笑)。

──もともと、嫉妬をテーマとして制作された曲でしょうか

小林:作品を作るときは毎回、どういう曲を作るのか、あいきゃん(小林愛香)チームでミーティングするんです。そのミーティングで「今まで作っていない曲って何だろう?」となったとき、「ラテンの曲をやってみよう」という話になって。「ラテンと言ったら、嫉妬でしょ!」みたいな流れで、制作が進みました。

──ラテンではありますが、ボーカルは情熱というよりも、冷めた炎という感じがしました。

小林:赤い炎というよりも、青い炎みたいな感じですよね。“その選択をしたあなたにはあまり興味がない”っていう、気持ちはあるけど離れていく心を歌った曲なので。これまでの曲は“熱くなれ!”みたいなものが多かったんですが、少し引いた目線による大人っぽいボーカルは、今回の挑戦のひとつでした。


──挑戦するときは、たとえば歌の表現だとディレクションを受けながら、新たな歌い方を見つけていく感じなのでしょうか?

小林:この曲に関しては、作詞のカミカオル(作詞:カミカオル/作曲:田代智一)さんがディレクションしてくださったんですが、デモ音源にカミさん自身が歌った仮歌を入れてくださって。これまでの私の作品の場合、デモに仮歌は入っていなくて、シンセで弾いた主旋律からボーカルのイメージを膨らませていくパターンが多かったんです。でも今回、カミさんに手掛けていただいた曲に関しては、カミさん自身が仮歌を録ってくださったので、それを基準にすることができた。これは結構大きな違いで。カミさんの仮歌を噛み砕いて理解して、自分なりにそのボーカルに近づけていく方法を取りました。そういう作業は楽しかったですし、良い経験にもなりました。

──ガイドとなる仮歌に、作家の感情も入り込んでいるわけで。

小林:はい。フェイクの入れ方とか感情的な部分は、シンセメロでは表現できない部分だったりするので。“このグルーヴ感いいな! よし、盗んじゃおう!”みたいなことができたのは、仮歌があったからこそだなと思います。

──カミさんはコーラスにも参加していますし、ハーモニーも聴きどころですね。今回のアルバムで一番大きな挑戦は「BUMMER,BUMMER」でしたか?

小林:いや、同じくカミさんの楽曲「As One」(作詞:カミカオル/作曲:カミカオル、U-Key zone)が一番かな。これはボーカルとしてかなりの挑戦でした。すごく壮大で素敵な楽曲なんですけど、ニュアンスが本当に難しくて。いろいろな歌の表現方法がある中で、「As One」の世界観に寄り添いつつ、その先の皆さんの生活にも寄り添えたらいいなと思いながら、ゆったりと大きな心で包み込むように歌うことを心がけました。「As One」のレコーディングは、6時間かけてみっちり歌ったんです(笑)。これまでで最長だったかも。足もガクガクなりながら歌い続けました(笑)。

──6時間! 喉と集中力は大丈夫でした?

小林:はい、大丈夫でした。優しく、語りかけるように歌ったので。それよりも、英語の発音が難しくて。カミさんと田代さんは英語ができる方なので、発音するときの舌の位置からディレクションしてもらいつつ、ふたりの歌を耳コピしながら、ネイティヴな英語を心がけつつ(笑)。自分の成長を表現することができた1曲になったと思っています。

──想いも、ボーカリストとしてのテクニックも封じ込められた愛の歌です。

小林:そうですね。このアルバムは基本的に、皆さんへの想いを歌っているので。対象が皆さんで、その中のひとりひとりに向けて歌っているイメージです。

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■今までにない歌い方に挑戦したり
■演奏したり、コラボしたり


──アルバムのリード曲にして1曲目は、Q-MHzが作詞作曲編曲を手掛けた「Lonely Flight」です。

小林:Q-MHzさんに描いていただく曲は、盛り上がったり熱量の高いものが多いのですが、「今回はQ-MHzとしても、チャレンジングな曲が作りたい」という話があったんです。Q-MHzさんはそもそも、いろいろなタイプの曲を作られているから、どんな曲が届くのか想像もつかなかったんですね。結果、これまで小林愛香に書いていただいていた曲とは違う、新しいQ-MHzさんの曲になったと思っています。

──熱量というより、空を駆けるような爽快感がありました。

小林:疾走感だったり浮遊感だったり。私の印象としては、大きな旗を振っているような絵的なイメージも受けました。


──タイトルに“Lonely”とありますが、これは寂しさや孤独を感じさせるワードですよね?

小林:ひとりひとりが違うことをしながら生きている日常で、「Lonely Flight」を聴いているときだけは、ひとつの思いで繋がれる、どんなに遠くにいても。それはすごく素敵なことですよね。私もコロナ禍では、なかなか思うように皆さんとライブができなかったり、イベントがほぼ全部中止になったりして、苦しい時期があったんです。だけど、音楽を通して思いが繋がっているって感じてて。ひとりじゃないって感じていたし、みんな同じ思いで繋がれている安心感がありました。歌っている私自身、みんなと同じ気持ちで繋がっているんだよということを伝えたかったので、「Lonely Flight」のような楽曲が歌えて、すごく幸せです。コロナ禍を経たライブで、“やっと会えたね!”って同じ空間で繋がれるのって本当にいいですよね。

──そんな想いを込めたレコーディングでは、どんなことを心がけましたか?

小林:爽やかに駆け抜ける感じを意識して、熱さというよりは、力みすぎず少し涼しい顔で歌っていたかもしれないです(笑)。

──ラテンな「BUMMER, BUMMER」から、ニューウェーブ/エレクトロポップの「Breakthroughだ!」への流れには落差があります。

小林:アルバムの曲順もあいきゃんチームで考えたもので。最初と最後の曲を決めて、あとはブロックごとにテーマを持たせる形にしたんです。前半ブロックは新しさを詰め込んだ感じですね。


──やしきんさんが作詞作曲編曲を手掛けた「Breakthroughだ!」は、小林さん自身がキーボードを弾いたという点も新しい。

小林:弾きましたね。もともとはQ-MHzの田代さんが誕生日にショルキーをプレゼントしてくださったところから始まって。私自身、“これは弾けという圧だな”と思っていたんですが、その答えがこの曲だったんです(笑)。しかもシンセソロのパートは、やしきんさんが打ち込みで作ったもので、実際に手弾きしていなかったんですよ。だから実際に弾くのは難しくて、苦戦しながら少しずつ収録していったんですけど、ライブで披露するとなったら当然一発勝負なので。どうなるんだろうって今からドキドキしています。

──ライブで盛り上がること間違いなしです。「前半ブロックは新しさを詰め込んだ」という言葉の通り、「Breakthroughだ!」は曲としても新しさがあるし。

小林:レトロな感じも新しさもあるので、今っぽい感じですよね。アルバムの中でもフックになる曲だと思いました。歌詞もポップでかわいいし、攻めているところもあるので、すごく好きな曲です。

──続く4曲目の「アミュレットメモリー」は一転。ピアノと歌から始まり、ヴァイオリンとヴィオラとチェロといった弦楽が入ってくるアコースティックバラードです。

小林:大切な誰かを思いながら聴いてほしい曲ですね。『アニソン派』のクリエイターコンペで選ばれたメキメキ地蔵さんの曲なんですけど、最初にコンペで聴いたときは、ボーカロイドを使っていたこともあって、少し冷たいイメージもあったんです。だけど、オケが完成していく中で、弦楽によって温かみが増して、優しさに包まれているようなイメージになって。だから私も優しく、ブレスに至るまで気にしながら歌ったんです。曲調的には、三拍子のおしゃれ感があって、私の新しい音楽になったと思います。


──「Can Can One One」は、ワンちゃんへの愛を感じるユニークな曲です。初回生産限定盤Aのジャケットのぬいぐるみは、この曲をモチーフに作られたそうですね。

小林:そうなんです(笑)。あのぬいぐるみ、めちゃめちゃかわいいんです。

──作曲は田代さん、作詞は小林愛香さんと高瀬愛虹さんの共作です。犬の鳴き声を曲タイトルにしたところにセンスを感じます。

小林:高瀬愛虹さんのアイデアなんですけど、田代さんのデモの段階からして“キャンキャン”にしか聴こえなかったんですよ(笑)。最初から“犬の曲”をテーマに作っていただいたので、田代さんはそれを意識して音を作ってくださったと思うんですけど、“ワンワン”の部分もそれにしか聴こえなくて。それがそのまま歌詞になっています。作詞の共作クレジットに関しては、私が書いたエッセイ風のものを、高瀬さんが歌詞に起こしてくださったという。ほぼほぼ歌詞として使っていただけたので、嬉しいです。

──犬への愛が溢れた歌詞は、飼ったことがある人の共感を呼びそうです。

小林:そういう部分もありつつ、私が一緒に住んでるワンコだからこその部分も入れているんです。たとえば、“おさんぽのときは いつも階段上りたがって”とか、一緒にいて“何でなんだろう?”って思うところを詰め込みました。

──5曲目の「Can Can One One」と7曲目の「YARUSHIKANAI feat. 佐伯ユウスケ」の間には、「グミチュウ (パソコン音楽クラブ REMIX)」を挟んでいますが、ちょうどアルバムの中盤のクッションとして効いてます。

小林:すごく可愛らしくリミックスされた「グミチュウ」は、また新しい雰囲気で楽しめる曲になりましたね。“ここからまた行くよ!”と切り替える意味も込めて、中盤ブロックに入れています。


──「YARUSHIKANAI feat. 佐伯ユウスケ」は作詞作曲編曲も佐伯ユウスケさんが手掛けたもので、'90年代以降のジャパニーズラップが詰め込まれた曲です。佐伯ユウスケさんとふたりでラフに歌っているのは、最初からそういう空気感でいこうと相談したものでしょうか?

小林:実は、レコーディングでは通しで4回しか録ってないんです。3回目でほぼ完成したので、そこでレコーディングは終わっていたんですけど、最後に映像用にお遊びで録ったテイクが、ほぼそのまま使われているという(笑)。ボーナストラックみたいな気持ちで録ったものなんですけど、そのおふざけ感も含めて、「こっちのほうがよくない?」となって。だから、笑っちゃってるところもあるし、私の担当割り振りじゃないところまで歌ったりしているんです(笑)。

──「YARUSHIKANAI」という曲タイトルですが、これくらいゆるく“やるしかない”と歌ってる曲も珍しい。

小林:このリリックって、曲を作るにあたって佐伯さんと行った食事会で出てきた言葉そのままなんですよ。たとえば、「自分でやったことがないような、無理そうな仕事が来たときって、どういうスタンスで立ち向かうの?」と佐伯さんに聞かれて、「やるしかないって思ってますねー」って私が話したことから、このタイトルになったりしているので。そのときの会話が全部録音されていたんですけど、その中で私は夢の話もしていて。「私は夢の中で飛べるんですけど、着地とかは夢だから考えたことないですね」って話したものが、そのまま歌詞になってますし。「麻辣湯が好き」とか「麺類は噛まずに飲み込んでるんですよね」って言ったのも、そのまま歌詞になってて。

──曲を作るにあたっての打ち合わせでの会話なんですよね?

小林:ちゃんとした打ち合わせですから(笑)。1時間くらいの日常会話が、そのまま歌詞になっているという…佐伯さんは本当にすごいなって思いました。新しすぎて、さすが過ぎます。

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■最新ツアーで最高を更新できるように
■皆さんと作る素敵なライブにしたい


──西片瑞樹さんが作詞作曲編曲を手掛けた「Live goes on!!」はパンキッシュで盛り上がる曲。

小林:「Live goes on!!」も『アニソン派』のクリエイターコンペで選んだ楽曲です。この曲も最初から完成されていて、“私のことを知っている方が、私のために書いてくれた曲だな”ということが、歌詞や楽曲から伝わってきました。

──ラップっぽい語りの部分もカッコよかったです。

小林:この速いテンポで、口が忙しい感じが楽しいところなので、噛まないように気合いを入れて頑張りました。みんなで拳を上げて盛り上がっているライブの景色が想像できる曲ですね。

──次の「KANPAI」も、ライブでみんなが“乾杯”する絵が想像できました。

小林:私がビール好きなので、皆さんから「乾杯曲を作ってください」というリクエストをいただいていたんです。それに、ライブ終わりに皆さんが打ち上げをしていて、乾杯の写真をSNSとかに上げてくれているんですが、それを見ると羨ましくて(笑)。“私も何かで参加できないかな”と思ったというのもあります。皆さんに歌っていただきたい部分もあるので、もう肩とか組んじゃって、ライブ会場の皆さんと浮かれた気分で歌いたい曲です(笑)。


──Q-MHzが作詞作曲編曲を手掛けた既発曲「Original My Life」は、ライブ映像がオフィシャルYouTubeチャンネルに公開されています。

小林:初ライブ披露のときの映像なんですが、皆さんの声も含めて、すでに完成されていたんですよ。だからうるうるしちゃいました。

──この曲は、小林さんの人間性が見える曲だと思ったんです。“笑いながら生きてこう”という歌詞には、ポジティヴなマインドが表れています。

小林:私が歌詞を書いているわけではないんですけど、すごく私のことをわかってくれているなって思いました。共感できるところがたくさんあって、たとえば“好きの大小なんて関係ないぞ ゼロよりちょっと上ならOK”という歌詞も、大雑把なことを言っているんだけど、ストレートで飾らない感じがすごく素敵。確かに、好きに強弱はあるかもしれないけど、その時々で違っていてもいいし、ちょっとでも好きだと思ったら、声を大きくして好きと言ってもいいですよね。自由でいいんだよなって思います。愛に正解はないし、ちょっとの好きだからって抑えなきゃいけないこともない。そこからいっぱい広がる世界があるから、止めないでほしいですよね。私の中でとても響いた大事な曲になりました。

──“みんな頑張って生きてる”という歌詞も一見ライトですけど、真理だと思いました。

小林:“楽しいに変わる忙しさだよと 知ってる わかってる 走り抜こう”とか、そういう毎日をみんなで頑張って生きてきたからこそ、今があって。みんなでこうやって同じ空間で生きているんだよな、ありがとう!って、ハッピーな気持ちに包まれる曲です。


──そしてラストナンバーはパリで食べたカマボコさん作詞作曲編曲の「だれも知らないんだ」。とても不思議な構成の曲ですね。

小林:まるで1本の映画を観ているかのような、最初から最後までがっつり聴くと、心が忙しすぎて息が上がる感じがするんです。この曲も『アニソン派』のクリエイターコンペで選ばせていただいたのですが、パリで食べたカマボコさんは、3人で曲を書いてらっしゃるチームで、おそらくパーツごとに作っている方が違うんだろうなと思いました。それが短編小説みたいなオムニバス感を生んでいると思うし、ランダムに違う曲がかかった感じもありつつ、それでもまとまっている感じが面白かったです。セカイ系というか、今っぽさがある曲だと感じました。歌詞もいろいろな意味を考察しながら読み取っていくのがいいんだろうな。なので、受け取るひとりひとりが、いろんな思いを重ねて楽しめる楽曲になったと思っています。

──この曲のレコーディングはいかがでしたか?

小林:録る前はドキドキしていたんですけど、終わってみると、自分の可能性を広げてくれる楽曲だったし、こういう曲に巡り会えたのもコンペのおかげだと思いました。完成に近づくごとに曲が育っていく感じがして、面白かったです。そういうアルバム制作の楽しさも感じることができましたね。

──収録された12曲はほぼ新曲のアルバムになるので、完成するまでワクワクしたでしょうね。

小林:全部の曲の選曲や制作にも関わらせていただいているので、すごく楽しかったです。これから皆さんに届くというワクワク感も、どんな反応を得られるかというワクワクもありますから。


──リリース後の10月12日から3都市4公演をまわるツアー<小林愛香 LIVE TOUR 2024 “Illumination Collection”>が始まります。その意味で、初回生産限定盤Aのみに収録されているライブ映像は、予習にもなるかもしれません。

小林:“小林愛香のライブってこんな感じ”っていうのは知っていただけると思います。でも私のライブって、予習なしでも楽しめるし、拳ひとつ身ひとつで来ていただいても、自由に楽しめると思います。

──<小林愛香 LIVE TOUR 2024 “Illumination Collection”>はどんなツアーになりそうですか?

小林:EP『syzygy』をリリースしたときのライブハウスツアーは、すごく成長できたという感触を得られた、いいツアーだったんです。そこで皆さんとの距離もグッと近づいた感じがして、すごく楽しかったし。だから、今回のツアーも今から楽しみですね。まず、皆さんとの予定が待っているということが嬉しいですし、最新のツアーで最高を更新できるようにしたいです。皆さんとだからこそ作れる素敵なライブにしたいし、楽しみにしています!

取材・文◎塚越淳一
撮影◎野村雄治

■2ndフルアルバム『Illumination Collection』

2024年8月21日(水)リリース
CD購入リンク:https://TF.lnk.to/IlluminationCollection_CD
配信リンク:https://tf.lnk.to/IlluminationCollection
【初回生産限定盤A (CD+BD+Photo Book A[28ページ]+チェキ風ブロマイド本人メッセージ(複写)付き A 3種ランダム封入)】
TFCC-81093〜81094 / \9,350(税込)
【初回生産限定盤B (CD+GOODS+Photo Book B[28ページ]+チェキ風ブロマイド本人メッセージ(複写)付き B 3種ランダム封入)】
TFCC-81095 / \6,050(税込)
・GOODS内容:オリジナルGOODSキーホルダー
【通常盤 (CD)】
TFCC-81096 / \3,300(税込)
※全形態、初回プレス分のみ2024年10月から行われる<小林愛香 LIVE TOUR 2024 “Illumination Collection”>CD先行シリアルナンバー入り


▲初回生産限定盤A


▲初回生産限定盤B


▲通常盤

▼CD収録内容 ※全形態共通
01. Lonely Flight
 作詞・作曲・編曲:Q-MHz
02. BUMMER, BUMMER
 作詞:カミカオル 作曲:田代智一 編曲:U-Key zone
03. Breakthroughだ!
 作詞・作曲・編曲:やしきん
04. アミュレットメモリー
 作詞・作曲・編曲:メキメキ地蔵
05. Can Can One One
 作詞:小林愛香、高瀬愛虹 作曲:田代智一 編曲:薮崎太郎
06. グミチュウ(パソコン音楽クラブ REMIX)
 作詞・作曲:田代智一 編曲:酒井拓也(Arte Refact)
07. YARUSHIKANAI feat. 佐伯ユウスケ
 作詞・作曲・編曲:佐伯ユウスケ
08. Live goes on!!
 作詞・作曲・編曲:西片瑞樹
09. As One
 作詞・作曲:カミカオル 編曲:U-Key zone
10. KANPAI
 作詞・作曲:田代智一 編曲:佐伯youthK
11. Original My Life
 作詞・作曲・編曲:Q-MHz
12. だれも知らないんだ
 作詞・作曲・編曲:パリで食べたカマボコ


▲Q-MHz


▲パソコン音楽クラブ


▲佐伯ユウスケ

▼BD収録内容 ※初回生産限定盤Aのみ収録
<小林愛香 爆誕祭「Happy ∞ Birthday」>
01. Happy ∞ Birthday
02. Easy Fizzy
03. Holiday!!
04. Please! Please! Please!
05. 君を守りたい
06. Sunset Bicycle
07. マコトピリオド
08. Night Camp
09. NO LIFE CODE
10. Deep Resonance
11. AMBITIOUS GOAL
12. Crazy Easy Mode
13. Border Rain
14. グミチュウ
15. Original My Life
encore
en1. キセキヒカル
en2. Lorem Ipsum
en3. Can you sing along?
※CD/Blu-rayの収録内容は変更になる可能性がございます。

■<小林愛香 LIVE TOUR 2024 “Illumination Collection”>

10月12日(土) 大阪・大阪バナナホール
open17:00 / start17:30
10月13日(日) 愛知・名古屋ElectricLadyLand
open17:00 / start17:30
10月25日(土) 東京・日本橋三井ホール
open18:00 / start19:00
10月26日(日) 東京・日本橋三井ホール
open16:00 / start17:00
【CD封入チケット予約受付】
受付期間:2024年8月28日(水)23:59まで

関連リンク

◆小林愛香 オフィシャルサイト
◆小林愛香 レーベルサイト
◆小林愛香 オフィシャルYouTubeチャンネル
◆小林愛香 オフィシャルX
◆小林愛香 オフィシャルInstagram
◆小林愛香 オフィシャルTikTok

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