相手の「本音」を引き出す魔法の言葉とは。商談で結果が出ない、会議が苦手…。仕事の成果につながる<雑談>の効果と使い方を解説
2024年4月から、建設業・ドライバー・医師の時間外労働の上限規制が適用されました。働き方改革が進められる一方、「会社は『残業を減らせ』と言うけれど、仕事量は増えるばかり…」と悩む方もいるのではないでしょうか。そのようななか、F6 Design株式会社 代表取締役の山本大平さんは「限られた時間で多くのタスクを片付けるためには、『結果』を出すための最短ルートをたどることが大切」と話します。今回は、山本さんの著書『「すぐやる」よりはかどる!仕事を「短くやる」習慣』より一部引用、再編集してお届けします。
【書影】やることがたくさんある人のための時短のコツ。山本大平『「すぐやる」よりはかどる!仕事を「短くやる」習慣』
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相手が「本音」を話し始める魔法の言葉
こんな人は要チェック!
◇商談で結果が出ない人
◇雑談が苦手な人
雑談しながら相手の本音を早く引き出す
会議室などでお互いに構えた雰囲気で話をしても、なかなか相手の本音を聞き出すことはできません。
私は、「少し雑談してもいいですか?」とか、「ちょっと雑談させてください」と伝えて、場所を選ばず、カジュアルな雰囲気の中で自然に合意形成ができるように、雑談をしながら仕事をする……ことを日ごろから意識しています。
雑談の効果
仮に合意形成までいかなくても、相手の考え方を知るだけでも十分な情報になりますから、私の会社の社員にも、「雑談をする暇があるなら、雑談で仕事をするといいよ」と、まるでトンチ問答のようなことを推奨しています。
仕事が速い人や仕事で成果を出している人を見ていると、雑談を上手に活用していることが多いようです。
雑談には、相手の緊張感や警戒心を緩めて、お互いのガードを下げる効果がありますから、心理的な距離が縮まるだけでなく、本音や本心を伝えやすい雰囲気を作り出すことができます。
それが仕事を短くやることや成果につながるのだと思います。
「そういえば」と区切りをつけて本題に移る
私が雑談をする際は、「そういえば」というフレーズを挟んで、第1部と第2部の2部構成で話をすることを意識しています。
第1部は、本題に入る前のフリというか、完全な雑談です。
(写真提供:Photo AC)
野球やゴルフ、サッカーなど、何か共通の話題で雰囲気作りをしてから、「そういえば」と区切りをつけて、第2部に入ります。
「そういえば、この間のあの件なんですけど、あれってこういう風に考えているんですけど、どうですかね?」
この問いかけが、どうでもいいことを聞いているようで、実は相手から最も聞き出したい話なのですが、改まって聞くよりも、「ついで感」を出しながらの方が、相手も本当のことを言いやすくなります。
「ああ、なるほど。そういうことなんですね」
こちらの反応が雑談風の軽いものであれば、相手も安心して、さらに説明を付け加えやすくなります。
できるだけ雑談で仕事を終える
「雑談」と「本題」を無理して切り離して考える必要はなく、できるだけ雑談で仕事を終えるようにすれば、仕事をスムーズに進めることができます。
ありがちなパターンとして、「ちょっといいですか?」と言って本題に入る人も多いようですが、それではあまり効果がなく、もったいない雑談になってしまいます。
ちなみにここで紹介した雑談の2部構成は、リアルのコミュニケーションで使うことを前提としています。
今はチャットでのやりとりも多いと思いますが、その場合は2部構成のうちの第1部を入れづらい面があるのでご注意ください。
短くやるコツ
雑談の「ついで」に本題を話すぐらいがちょうどいい
※本稿は、『「すぐやる」よりはかどる!仕事を「短くやる」習慣』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。