「ファイナンシャル・ウェルビーイングって?」お金の教科書Vol.49 #お金の基本

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毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”の3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「ファイナンシャル・ウェルビーイングって?」です。

ファイナンシャル・ウェルビーイングって?

窪田敦子(くぼた・あつこ)さん 金融経済教育を推進するため設立された中立・公正な認可法人「金融経済教育推進機構(J‐FLEC)」の事業内容の検討・稼働準備を金融庁で担当後、現在はJ‐FLECで「お金について学べる」コンテンツの企画などを担当。

地道奈子(じみち・なこ/28歳・派遣社員) 既婚・子なしのDINKS。新NISAへの移行を無事に終えて一息。ポイ活に精を出しつつ、サブスクやスマホなど、新しい固定費の見直しを、目下模索中。

お金についての正しい情報はどこで得る?

奈子:前回、教えてもらった最新の金融経済教育。今の高校生が資産形成についても学んでいるとは驚きでした。

窪田:一人ひとりが描くファイナンシャル・ウェルビーイングの実現のため、実は若い世代に限らず、いくつになってもお金の知識を身につけることが大切なんです。

奈子:ファイナンシャル・ウェルビーイング? また聞き慣れない言葉が…! その意味は?

窪田:「自らの経済状況を管理し、必要な選択をすることによって、現在および将来にわたって、経済的な観点から一人ひとりが多様な幸せを実現し、安心感を得られている状態」と私たちは定義しています。

奈子:つまり、「これが正解」という一般的な答えはない?

窪田:はい。「幸せ」や「安心感」は人によって様々ですからね。ファイナンシャル・ウェルビーイングは、「“なりたい自分”になるための経済力を持てている状態」と言えばわかりやすいでしょうか。

奈子:“なりたい自分”かぁ…。例えば私は35歳までには家を買いたいと考えているんですが、それも“なりたい自分”?

窪田:まさにその通りです。具体的に叶えたい目標があれば、それに対して何が必要で、どんな方法をとればいいのか。より具体的に準備することができます。そうすることで奈子さんが35歳までに家を購入できたら、どうですか?

奈子:絶対、幸せです! そのためにもお金についてきちんと学ぶことが大切なわけですね。でも、ひと昔前に比べたら、お金の話をオープンにできる空気はありますけど、パーソナルなことだけに、どこで知識を得て、誰に相談すべきなのか…。

窪田:行政をはじめ、銀行、証券といった金融業界などもそれぞれにお金の知識に関する情報を発信したり、無料セミナーや相談会を実施しているのですが、逆に「誰に頼ればよいかわからない」「自分に合った情報が得られているか不安」という声がありました。

奈子:わかるわ〜。

窪田:そこで、今年の4月に初めて、官民一体で金融経済教育の機会を提供する、中立・公正な金融庁の認可法人「J‐FLEC」が設立されました。

奈子:それは、利用者の立場に立って、お金についての情報やアドバイスを提供してくれる国のお墨付きの機関、ということですか?

窪田:はい。

奈子:それって、とても心強い!

窪田:お金のことで悩みがあれば、無料の個別相談もぜひ活用してみてくださいね。

FWB〈ファイナンシャル・ウェルビーイング〉

自らの経済状況を管理し、必要な選択をすることによって、現在および将来にわたって、経済的な観点から一人ひとりが多様な幸せを実現し、安心感を得られている状態。

利用者の立場に立ったアドバイスをくれる中立・公正な金融庁の認可法人「J‐FLEC」家計管理・生活設計から、NISAやiDeCoといった資産形成まで、金融経済全般の内容について、相談者の状況に応じたアドバイスをJ‐FLEC認定アドバイザーから受けられる個別相談「J‐FLEC はじめてのマネープラン」を近日中に受付開始予定。無料で最大1時間、対面でもオンラインでも可(要予約)。また、金融リテラシーを高めるための教材やセミナーも無料で提供。

次回は、2410号(8月14日発売)掲載予定です!

※『anan』2024年8月7日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・一寸木芳枝

(by anan編集部)