ザ・昭和の町中華の絶品「ニラソバ」と夏場に恋しくなる「冷やしカレー台湾麺」[チャーラー祭り実食ルポ]
『おとなの週末Web』で好評連載中の「ニッポン“チャーラー”の旅」から端を発した(!?)、スタンプラリー型の食べ歩きイベント「チャーラー祭り2024夏 supported by おとなの週末」が、2024年8月31日まで愛知県内の中華料理店全12店を舞台に開催中。公式アンバサダーを務めるライター・永谷さん自ら全店制覇を目指します。その第4弾。今回も2軒巡りました。
「チャーラー祭り」参加店はこちらをチェック!
https://otonano-shumatsu.com/articles/382266
ザ・昭和の町中華のチャーニラセット
6月15日(土)に開幕した「チャーラー祭り2024夏 supported by おとなの週末」も中盤を迎えた。おかげさまで多くの方がスタンプシートを片手に参加店を巡っているようで、参加店の店主も大変喜んでいる。
筆者のスタンプシートも6店舗分が埋まり、残すところ半分。何とか8月のお盆休みの前にはコンプリートしたい。ってことで、仕事の合間を縫って祭りに参加してきた。
この日は昼過ぎから名古屋市内で打ち合わせがあったため、ランチタイム限定でチャーラーを提供している千種区春岡通にある『中国料理 錦華楼』へ行くことに。
店構えはまさにザ・昭和の町中華。年季の入ったカウンター席と小上がりの店内もまさにザ・昭和の町中華。そして、出迎えてくれた話好きそうな女将さんも、厨房で中華鍋を振る、いかにも職人なご主人とその隣で仕込みをする息子さんもまさにザ・昭和の町中華。筆者が映画やドラマの監督ならここで作品を撮りたいくらいである。
ここのランチは、Aセット「チャーラーセット」(750円)とBセット「チャーニラセット」(950円)、Cセット「チャータンセット」(970円)の3種類。チャーラー祭りの提供メニューはBセットだ。チャーラーならぬ「チャーニラ」とは、チャーハンとニラソバのセットだ。ちなみにCセットの「チャータン」はチャーハンと担々麺ね。
っていうか、どれも安い。今どきチャーラーが750円って! コンビニで弁当やお茶を買ってもそれくらい、いや、モノによってはそれ以上かかることがあるもんなぁ。きっと、いつも足を運んでくれる常連のお客さんのことを考えると値上げしようにも二の足を踏んでしまうのだろう。
たっぷりのニラをチャーハンにオン!
そんな事を考えていると、「チャーニラセット」が目の前に運ばれた。おおっ! ニラソバは麺が見えないほど丼一面に細かく刻んだニラがのっていて、見るからに旨そう。ニラと醤油が相まった何ともいえない香りもたまらない。では、いただきます!
ニラソバの具材は、ニラとネギのみ。この潔さもとても好感が持てる。まずは、レンゲで表面に浮かぶニラをスープとともにいただく。うっ、旨い! しかも、ややピリ辛でこの季節にはぴったり。
筆者は前日餃子やニラ玉を作って余ったニラをインスタントの袋麺に入れてニラソバにして食べることがある。それですら旨いのに、仕込みの丁寧さが伝わる澄みきったスープがベースゆえにインスタントの袋麺とは比較にならないほどおいしい。
麺をすすりつつ、スープとともにニラを食す。もう、この時点で無限のループになってしまい、チャーハンの存在を忘れるところだった(笑)。チャーハンは見ての通り、パラパラ系。具材はチャーシューとハム、卵とシンプル。また、器の花柄模様がまたノスタルジックな気分にさせてくれる。
油が少なめであっさりとした味わいは五十路の筆者にはありがたい。ニラソバとの相性は言うまでもなく、さらにもうひとつ、このチャーハンの旨さを倍増させる食べ方がある。それはチャーハンにニラをのせて食すというもの。あっさり系のチャーハンだからこそなせるワザだろうが、これが本当に悶絶するほど旨い。大満足で店を後にした。ご馳走様でした!
チャーラー祭りPRのために動画出演するハメに
『元祖名古屋中華 龍美』のオーナー、斎藤隼さんから先月半ばくらいに連絡があり、
「ナガヤさん、よろしければウチの店のショートドラマに出てみませんか? そこでチャーラー祭りをPRしましょう」とのお誘いを受けた。
地元のTV番組にはたまに出させてもらっているものの、それはフードライターとしてであって、私ゃ役者じゃない。しかし、チャーラー祭りのPRになるのであればドラマだろうが挑戦してやろうではないか。
ってことで、名古屋市中区錦2丁目にある長者町店へ向かうと、スマホか何かで撮影するかと思いきや、動画専用のミラーレスカメラを手にした撮影スタッフ2名と斎藤さんが待っていた。
撮影は、私が長者町店へ入るシーンをさまざまな角度から撮り、店内ではチャーラー祭りの提供メニュー「冷やしカレー台湾麺セット」(1628円)を注文して食べるシーンを撮影した。
「……3、2、1、アクション!」の合図とともに冷やしカレー台湾麺を喰らう。
あらゆる文化を包容する名古屋のダイナミズム
冷やしカレー台湾麺の具材は、大きくカットされた唐辛子がゴロゴロと入った台湾ミンチとニラ、刻み海苔、卵黄。台湾まぜそばと同様に、真ん中にのった卵黄を潰して全体をよくかき混ぜて食す。さぞかし辛いのだろうと覚悟を決めてひと口……。あれ? 唐辛子の辛さは控えめで、カレースパイスの香りと刺激の方がやや強い。夏場に恋しくなる味だ。
「茹で上げた後に冷やした麺と少量のラー油を和え、その上からカレースパイスをまぶしてあります。カレーは名古屋ではお馴染みの『オリエンタルカレー』のスパイスを使用しています」と、斎藤さん。
台湾を表現した唐辛子の辛味とニンニクの風味、インドを表したカレーの香りと刺激が見事なまでに融合している。とはいえ、この冷やしカレー台湾麺のアイデンティティはいったい何なんだ(笑)。まぁ、それがあらゆる文化を包容する名古屋のダイナミズムということにしておいてくれ(笑)。
アジア各国を旅している気分に
台湾とインドのテイストで口の中がカオス状態になったところでチャーハンを頬張る。チャーハンの具材は大きめのチャーシューとネギ、卵。冷やしカレー台湾麺は、日本の主食である白メシにも合うだろう。しかし、中国生まれのチャーハンの方がよりカオス、もとい、複雑な味わいになる。いやー、旨い!
「麺を食べ終わりましたら、器に残った具材を……」と斎藤さんが言いかけたところで、筆者はすべてを察した。チャーハンにかけて食べるのだ。そんなの反則だ。旨いに決まっているじゃないかっ!
てことで、冷やしカレー台湾麺の具をチャーハンにオン! 麺と同様によくかき混ぜて食べると味が激変。肉の旨みと唐辛子の辛味、ニンニクの風味、そして、カレーの香りと味が混ざり合い、アジア各国を食べ歩く旅をしているかのような気分になった。
食べ終わって、手を合わせるシーンや会計時にスタンプを押してもらうシーンなどを撮ってショートドラマの撮影は終了した。おそらく、近々公開されると思うので、「龍美 動画」で検索して、ぜひご覧いただきたい。
これで全12店舗中、8店舗をクリア! どの店も美味しくて、巡っていて本当に楽しい。残りは4店舗。このあたりでラストスパートをかけるとするか……。
取材・撮影/永谷正樹