4回のピンチを抑え、ガッツポーズするオリックス先発の宮城=27日、京セラドーム

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 頼もしい左腕が、変わらぬ姿で戻ってきた。

 オリックスの宮城が5回無失点。1カ月以上遠ざかった1軍の舞台で好投し、「投げている感覚もよかった。自分の役割は果たせたかな」。久しぶりに充実感に浸った。

 直球に力があり、ピンチで本領を発揮した。四回1死二塁で、好打者の近藤をスライダーで泳がせて空振り三振に。なお2死一、二塁での甲斐との勝負では粘られても根負けせず、最後はチェンジアップを振らせた。力強くほえ、拳を握った。首脳陣は四回で交代させる予定だったが、本人の意思をくんで続投を決めた。

 まさかの離脱だった。5月8日の楽天戦。寒さが厳しい秋田での登板で上半身に違和感を覚え、左大胸筋損傷と診断された。2年目から1軍に定着している左腕にとって、けがでの離脱は初めて。「最初は正直どうしようと。野球ができるようになって落ち着いた」。キャッチボールもできない状態から、地道にリハビリに向き合った。

 4月21日以来の白星で、首位ソフトバンク相手に3連敗を阻止。「楽しくできた。もっと続けられるように」と、全力で打者と勝負できる喜びをかみしめた。