石川県警は24日、能登半島地震で大規模な土砂崩れが発生した輪島市市ノ瀬町で、行方不明となっている瓦ぶき職人、垣地英次さん(56)の捜索を再開した。

 現場を訪れた兄の弘明さん(59)=金沢市=は「早く出てこい」と帰りを願った。

 1月の地震で市ノ瀬町では約170万立方メートルもの土砂が崩落し、英次さんの自宅ものみ込まれた。大量の土砂は川をせき止め、二次災害の恐れがあるとして、県警は3月4日を最後に捜索を中断していた。

 毎週末現場を訪れていた弘明さんは、捜索再開に「弟が見つかる一筋の光が見えた」と話す。重機が土砂をかき出す様子を見守り、「何も手伝えないのは歯がゆいな」とつぶやいた。

 「あれからもう半年か」と弘明さん。「市内も少しずつ整備され、復興に向けて着実に進んでいるが、弟が見つからないと次のことは考えられない」と複雑な胸中を明かした。