東大生語る「模試軽視する受験生」の恐ろしい末路
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。
その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。
そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。連載を再構成し、加筆修正を加えた新刊『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』が、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第122回は、模試を軽視してしまう受験生についてお話しします。
模試を受けるのが億劫に感じる
「合格する受験生ほど、模試を重視する」というのは、多くの場所でよく聞く話です。名門進学校や、塾・予備校でも、生徒たちに対して積極的に模試を受けることを推奨したり、模試の前にはよく準備をするように指導している先生が多いです。
しかし、受験生の多くは、「模試を受けるのが億劫だ」と感じている場合が多いです。
「全科目受けるとなると、朝から晩まで時間を使わなければならないから、拘束時間が長い。予習も復習もできないし、ペースが乱れてしまう。なんで模試なんて受けなければならないんだ!」と。僕も受験生時代にはそう思っていました。
模試をはじめとして「自分の実力を測る」というのは、どういう効果があるものなのでしょうか? 今回はこのことについて、漫画『ドラゴン桜』のワンシーンを引用しながら、お話ししたいと思います。
まず、こちらのシーンをご覧ください。「実力テストを受けろ」と先生に言われて、生徒の矢島がふてくされているワンシーンです。
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(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
さきほど、受験生の多くは「模試を受けるのが億劫だ」という話をしました。しかし、それはきっと、シンプルに「自分の実力を知るのが怖いから」なのではないかと思います。
僕は昔「模試の途中で諦める人は落ちる」と、高校時代の恩師である担任の先生に指導された記憶があります。どういうことなのか聞いてみると、以下のような話をしてくれました。
「受験生の中には、模試を受けている途中で、難しい問題を見て『今回はダメだな』と考えてしまい、途中で『もういいや』と思って、最後まで点数を狙わない学生がいる。こういう学生は落ちるんだ!」と。
さて、自分が教える側になってみてよくわかることなのですが、恩師の言うとおり、確かに勝負の途中で諦めてしまう受験生というのは多いです。
模試の途中なのに退出してしまう子もいますし、そこまでしなかったとしても、途中でうまくいかなくて「今回は無理だな、この1問だけ解こう」と気持ちが揺らいでしまう学生も多いです。
試験本番で本気で挑めなくなる
こういう姿勢で模試を受けていると、試験本番になったときにも、困る場合が多いです。
1問うまくいかない問題があったとしても、合格を勝ち取りたいのならば、本番で足掻いて点数を取りにいったほうがいいですよね。
でも、練習で途中で投げてしまっていたら、肝心なときに本気で挑めないのです。本来は、「どうしよう! 解けない! でも、それでも1点でも多く点数を取らなくちゃ!」と足掻いて、最後の瞬間まで頑張ったほうがよいのです。
そうしたときに、「火事場の馬鹿力」のように、自分でも知らなかったパワーを発揮できることもあります。模試の途中で諦めるのが当たり前で、自分の実力を測られるのが怖いと思っていると、そのような自分が秘めているパワーを知らないまま、試験会場に行くことになってしまうのです。
逆に、合格をつかむ受験生は、模試にも本気で取り組みます。そこで難しい問題にぶち当たったり、困ったり苦しんだりするわけですが、その大変さが、成長のきっかけになるわけです。
いかがでしょうか?まずは、「自分の実力を知るのを怖がっている」と認めること。そこから始まると思います。ぜひ、素直にその気持ちを受け入れてみてください!
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(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)