「できれば近寄りたくない」タクシー運転手泣かせの東京“魔のスポット”
![東京駅丸の内口周辺。こちらは北と南に大きなロータリーがあり整備されている](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/d/b/db79b_963_97896e53_86d93909-m.jpg)
中でも時間帯により規制の内容が変わる道はやっかいで、初見で瞬時に理解することは難しい。爆発的に普及した配車アプリでもそれに対応しきれていないため、ドライバーとお客さんの間でトラブルが起こることがある。東京都内を実際に走っている現役ドライバーの筆者が、詳しく解説しよう。
東京駅は丸の内北口、丸の内南口、日本橋口、八重洲中央口の4か所を降車のため乗り入れることができる。中でも圧倒的に要望が多いのが新幹線にアクセスしやすい八重洲中央口で、専用の降車場がありロータリーになっている。
と、文字にするとよい場所に思えるが、これが首都東京を代表する巨大ターミナルの降車場かというほど小さい。8台も入ればもうパンパンなのに、午前中など常時10台以上がここに入ろうとして渋滞が起き、目の前の外堀通りまで車列が溢れる。しかも、新幹線利用客が多いため、各車山積みの荷物があり、降車にかなり時間がかかってしまう。
ツウな人は日本橋口にも新幹線改札があるのでそちらを指定するし、ドライバーもおススメすることはあるが、高い確率で「いや、八重洲口へ」と拒否される。
◆時間帯により姿を変える神楽坂
JR/有楽町線の飯田橋駅付近(神楽坂下交差点)から神楽坂上交差点を経由、東西線神楽坂駅出口2付近(矢来町第二交差点)を結ぶ約1キロの神楽坂通り(早稲田通り)は、曜日や時間帯により次のように交通規制が変わる。
・月曜〜土曜
0時〜12時:矢来第二交差点→神楽坂下交差点の一方通行
12時〜13時:神楽坂上交差点〜神楽坂下交差点は歩行者専用
13〜24時:神楽坂下交差点→神楽坂上交差点の一方通行
12時〜24時:神楽坂上交差点→矢来第二交差点の一方通行
・日曜・休日
0時〜12時:矢来第二交差点→神楽坂下交差点の一方通行
12時〜19時:神楽坂下交差点〜神楽坂上交差点は歩行者専用
19時〜24時:神楽坂下交差点→神楽坂上交差点の一方通行
12時〜19時:神楽坂上交差点〜赤城甚神社前交差点は歩行者専用
19時〜24時:赤城神社前交差点→矢来第二交差点の一方通行
こうして文字だけで理解することは難しいかもしれない。詳しく知りたい人は「牛込警察署神楽坂通りの交通規制」も参考にしてほしい。複雑なお話で申し訳ない。けれど、坂の途中に目的地がある場合、時間帯次第で遠回りやたどり着けないケースがあることを、お客さん側も知っておいてほしいのだ。
◆新宿駅南口は乗り降りできない
新宿駅南口は甲州街道を挟んで南改札と甲州街道改札がある。車を降りればすぐ駅構内に入ることができ、タクシー乗降地として便利さが際立っていた。ところが2016年にバスタ新宿が完成すると事態は一変。タクシー乗降場もバスタ内に移転し、南口前の甲州街道は全面駐停車禁止場所になってしまった。
要するに、ここではタクシーに乗ることも降りることもできないわけで、他の駐停車禁止場所とは比べ物にならないほど、厳しい取り締まりが行われている。たとえ改札目前の信号で停まっても降りることはできず、バスタ新宿3階まで運ばれてから改札に向かわなければならない。
筆者も何度か「急いでいるからここで降ろしてくれ」と懇願されたことがあるが、認めるわけにいかないのがツラいところだ。
◆ありえない場所を迎車地に指定できてしまうアプリ