Amazonプライム・ビデオでは間もなく一時停止中にAmazonの商品の広告が表示されるようになる
AmazonはAmazonプライム・ビデオの広告の拡大に力を入れており、アメリカなど一部の国では2024年1月から追加料金を支払わなければコマーシャルが流れるようになっています。さらに、2024年5月中旬にはコンテンツの一時停止中に表示されるAmazonの商品の広告を含む3つの新しい広告を導入することを、Amazonが発表しました。
Amazon Ads announces new Streaming TV ad formats | Amazon Ads
Prime Video subs will soon see ads for Amazon products when they hit pause | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2024/05/prime-video-subs-will-soon-see-ads-for-amazon-products-when-they-hit-pause/
Amazon Debuts New Streaming Video Ad Formats Ahead Of Upfront Event
https://deadline.com/2024/05/amazon-new-streaming-video-ad-formats-prime-video-upfront-1235906325/
Amazonが今回発表した3種類の広告は、「ショッピング可能なカルーセル広告」「インタラクティブな一時停止広告」「インタラクティブなブランドトリビア広告」の3つです。
◆ショッピング可能なカルーセル広告
カールセル広告とは、複数のスライドを回転させて表示させる広告のことです。前述の通り、Amazonプライム・ビデオでは番組や映画の視聴中にコマーシャルが流れるようになっていますが、その際に「スライド式のラインナップ」で商品の購入を促す広告が表示されるようになるとのこと。視聴者がスライドを操作すると広告は自動的に一時停止し、操作が終わると自動的に再生が再開されます。
◆インタラクティブな一時停止広告
コンテンツの視聴を中断するコマーシャルとは別に、視聴者が任意のタイミングで一時停止した際にも広告が出るようになります。Amazonは、「ブランドのメッセージとイメージをフィーチャーした半透明の広告と『カートに入れる』や『もっと詳しく』などのボタンがオーバーレイ表示される」と説明しています。
一時停止広告はコンテンツが一時停止されている限り表示され続けます。その間、広告主は視聴者に商品をカートに追加させたり、詳細情報について告知するために顧客に電子メールのアドレスを入力させたりすることができます。
◆インタラクティブなブランドトリビア広告
商品のトリビア、つまり豆知識を掲載するこの広告は、コンテンツが流れている最中に表示されます。この広告でもカートへの追加や電子メールのリクエストができるほか、ショッピングクレジットなどの特典も提供される予定です。
エンタテインメント系ニュースサイト・Deadlineによると、新しい広告は2024年5月14日にニューヨークで開催されるAmazonの広告主向けプレゼンテーションの直前から始まる予定とのこと。
Amazonは今回の発表で、Amazonプライム・ビデオの広告は毎月平均2億人にリーチしていることを明かしました。一方、Amazonは2021年にAmazonプライム・ビデオを含むAmazonプライムの加入者数が2億人になったと発表して以来、ストリーミングサービス全体の加入者数を公表していません。
Amazonの広告事業は好調で、2024年4月30日に発表された第1四半期決算報告では、広告事業の収益が前年同期比24%の伸びを示したと報告されました。広告費の大半は小売事業からのものですが、アンディ・ジャシーCEOはAmazonプライム・ビデオも貢献していると述べています。
一方で、Amazonプライム・ビデオの視聴者からは不評で、2024年2月には広告が出ないことが売りだったはずのAmazonプライム・ビデオが広告か追加料金かの選択を迫るのは法律に違反しているとして、ユーザーが訴訟を起こしています。
Amazonがプライム・ビデオに広告を導入したのは法律違反だとしてユーザーが提訴 - GIGAZINE