ぼったくられる世界最大のマラソン大会、相手はなんとニューヨークの…
米・ニューヨークの街中を走り抜けて、マンハッタンでゴールする「ニューヨークシティマラソン」。2023年の大会では約5万人が参加した「世界最大のマラソン」とも言われるレースの一つです。そんなマラソン大会の裏で、ニューヨーク都市交通局(MTA)が大金を儲けている可能性が浮上しました。
MTAは、ニューヨークシティマラソン主催者側に75万ドル(約1億1300万円※)を要求したと報じられたのです。その理由は、マラソンコース上のヴェラザノ・ナローズ橋を通行止めにするため。本来ならこの橋の通行料として同程度の収入が見込まれるというのです。
※1ドル=約151円で換算(20204年4月5日現在)
現在、ニューヨークシティマラソンの参加費は315ドル(約4万7000円)。会員になっていても、255ドル(約3万8000円)がかかります。もしMTAの要求が通るのなら、この参加費がさらに上がることだって考えられるでしょう。
しかし、このMTAの要求には、多くのメディアが疑問を投げかけています。というのも、2023年11月に行われた大会当日、多くの道路が交通止めになったためか、ニューヨーク市地下鉄(MTAの関連法人が運営)の利用者が増えたというのです。2023年9月から11月の日曜日の1日平均利用者数よりも36万5000人も多く、仮に1人数ドルの利用だったとしても、100万ドル(約1億5000万円)以上の収入増だった計算になります。
そのため、もし大会主催者側に今回請求したという75万ドルを得られなかったとしても、MTAにとっては数十万ドルの収益にはなると考えられるのです。
一方、主催者側の収益を見てみると、2023年の大会では収入8500万ドル(約129億円)に対して、経費を差し引いた純利益は約1200万ドル(約18億円)。MTAが求める金額には十分応じることは可能なのかもしれません。
専門家によると、2019年大会ではニューヨーク市に4億2700万ドル(約648億円)もの経済効果をもたらしたとみられているこのマラソン大会。参加者の数も、そこで生まれるお金のスケールも大きいだけに行方が気になるところです。
【主な参考記事】
CBS News. MTA wants to charge NYC Marathon for shutting down Verrazzano-Narrows Bridge. April 3 2024
New York Post. MTA actually makes more money from NYC Marathon than it loses in bridge tolls - despite demand of $750K: analysis. April 3 2024