TOKYO, JAPAN - MARCH 17: Naoki Yoshikawa #0 of the Yomiuri Giants throws to first base during an exhibition game against the Seattle Mariners for the 2019 Opening Series at the Tokyo Dome on Sunday, March 17, 2019 in Tokyo, Japan. (Photo by Alex Trautwig/MLB via Getty Images)

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吉川は堅守で知られる(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人で注目を集めていた開幕1軍メンバーをめぐって、ルーキーたちのアピールが実りそうだ。

 阿部慎之助監督が、ドラフト3位の佐々木俊輔(日立製作所)と同4位の泉口友汰(NTT西日本)の開幕1軍を明言したと19日付けのスポーツ各紙が報じている。

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 まず佐々木はここまでオープン戦打率.452をマーク。キャンプ当初から注目された卓越したスイングスピードを武器に球を引き付けて広角に打てる点も評価されている。外野守備でも先のオープン戦で背走キャッチが話題を呼んだ。スピードを生かした守備範囲の広さ、俊足と走攻守に優れた選手として、見事1軍の椅子をゲットした。

 さらに実戦に入ってからぐっと評価を高めたのは内野手の泉口だ。特筆すべきは守備の堅さだ。元々は遊撃が本職であったがオープン戦に入ってからは内野全ポジションで出場、食らいつく姿勢でここまで失策0と守りの野球を目指す今季の阿部野球にマッチする人材といえそうだ。

 「7番・三塁」で先発出場した17日の日本ハム戦(エスコンフィールド)では初回無死一、二塁の場面で迎えた郡司裕也の三塁線への打球を捕球とともにベースを踏み、すかさず二塁へ送球。5−4−3のトリプルプレーを完成させた。ルーキー離れした落ち着いた判断力がスーパープレーを生んだ。

 オープン戦打率はここまで.192だが四球を選んだり、進塁打をマークするなど、指揮官が求める「献身性」も体現できているとあって、佐々木とともに開幕からの1軍切符を手にした。

 一方、スーパールーキー躍動の陰で奮起を求められている選手もいる。名セカンドとして守備力の高さで認められ、正二塁手候補の吉川尚輝はここまでのオープン戦打率は.154(いずれも18日現在)と状態が上がってこない。指揮官も直接指導などで何とか打撃を上向かせようと目を向けているが、トンネルから抜け出せない。

 吉川といえば忍者守備ともいわれる守備範囲の広さで二塁手としては球界屈指の守備力でしばしば投手を助けてもいる。しかし長年の課題である打撃の安定したパフォーマンスを残せていないことで、レギュラー当確には至っていない。

 「レギュラーを取る人はパッと取る」という言葉を残したのは原辰徳前監督だが、近年でいうと若手時代の坂本勇人、昨年の門脇誠がそれに当たる。吉川も潜在能力の高さは多くの人に認められながらも、打撃面、コンディション面の課題があり足踏みが続いている。このままの状態でいくと、勢いを見せているルーキーに定位置を奪われることも十分ありうるだけに、奮起が求められている。

 いずれにせよ、阪神とぶつかる開幕戦は29日に迫っている。チームスローガンの「新風」さながらに躍動した姿を見せているルーキーたち、また中堅たちの意地を賭けたし烈なレギュラー争いにも目を向けたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]