お椀の蓋、食べる時はどう置くのが正解? ご飯の上におかずをのせていい? 知らないと恥ずかしいマナー3選
春、新しい出会いと別れの季節ですね。
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送別会や懇親会など、人が集まる場での飲食の機会が増える、というかたもいるのではないでしょうか。
いざ食事の席に参加すると「あれ、これってどうするのが正解なの?」と戸惑うシーンもあるかもしれませんね。
今回は「知っているようで知らなかった食事にまつわるマナー」について、マナーの専門家、岩下先生にお聞きしました。
■1. ご飯におかずをのせない
炊きたてつやつやのご飯に、こってり味のおかずをのせて。少し汁がしみたご飯がまたおいしくて……というのは、家の中でのひそかなお楽しみにとどめておきましょう。
正式には、ご飯におかずをのせる(茶碗を取り皿代わりにする)ことはマナーに反します。汁、おかず、ご飯を交互に食べ、白いご飯を汚さないように気をつけて。
■2. ふたつきの椀は、ふたを取ったら裏返して重ねない
お店で出てくるふたつきの汁もの。飲み終わったあと、ふたを裏返して重ねる光景を目にすることがあります。
口をつけていないものと、飲み終わったものを区別するために生まれた流儀のようですが、逆さに重ねるとはずれなくなったり、ふたにほどこされた蒔絵などの細工がはがれたり、傷つく恐れがあります。
飲み終わった椀は普通にふたをして、お膳の外に出しておきましょう。食べ終わったというサインになります。
ちなみに、食べ始めるときには、ふたを裏返し、右端に置いておきましょう。ふたの細工を傷つける心配があるときは、裏返さずに右横に置いても構いません。
■3. 大皿から他人の分は取り分けない
中華料理やビュッフェなど、大皿から料理を取り分けていただくときは、食べきるようにしましょう。
大皿から取るときは、形をくずさないよう気をつけながら、食べられそうな量だけを取り分けます。自分の好きな具ばかりを選んだり、好物だからと大量に取るのは、お行儀が悪いこと。
中華で順々に料理が出てくるときは、料理ごとに取り皿を変えましょう。使い終わった皿は、下げてもらって新しい皿をリクエストして構いません。
ビュッフェの場合は、数種類の料理を一皿に取りますが、前菜(冷菜)、スープ、魚料理、肉料理、デザートと、コース料理のときと同じようにお料理の性質を考えながら取り分けて、3〜4枚のお皿を使い分けましょう。他人の分を勝手に取り分けるのはマナー違反です。
■まとめ
知っているようで知らなかった食事にまつわるマナーについてご紹介しました。意外と知らなかったマナーもあったのではないでしょうか。
岩田先生はマナーは自分の周りにいる人たちに対して、「より思いやりの気持ちが伝わるように作った先人の知恵」とおっしゃっています。一緒に食事をする相手が気持ちよくなるようなマナーが実践できるといいですね。
【著者プロフィール】
岩下宣子
「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。近著に『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)がある。
※本記事は岩下宣子著の書籍『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』から一部抜粋・編集しました