ウォルマート(Walmart)の最近の収支発表と、米モダンリテール+リサーチ(Modern Retail+ Research)のデータに見られるeコマースの現状について調べた。

不確実な時期におけるウォルマートのeコマースの成長

ウォルマートは2024年度の第4四半期決算で、全世界でのeコマース売上が前年同期比23%増、米国では同17%増だったことを発表した。この成長の多くはデリバリーとピックアップのオプションによるものだと同社は言う。ただし、米モダンリテールが毎年発表している「eコマース・インデックス」では、ウォルマートには成長を支えるほかのオンライン戦略もあったことが示されている。同社は有料会員特典を強化し、検索エンジンにAI技術を追加したのだ。質問:小売業者がeコマースの成長を促進するために使える戦略は何か? 財務的に不確実な時期において、小売業者はどこに注力すべきか?調査から得られた回答:

Big Box(大手小売業者)・Average(平均)

Virtual Product Experience Score(仮想商品体験のスコア)/Checkout Score(チェックアウトのスコア)/Reviews Score(レビューのスコア)/Customer Service Score(顧客サービスのスコア)/Customer Benefits Score(顧客への特典のスコア)/Paid Membership Score(有料メンバーシップのスコア)/Apps Score(アプリのスコア)/Social Commerce Presence Score(ソーシャルコマースにおけるプレゼンスのスコア)Source: Modern Retail Index 2023(出典:米モダンリテールの2023年版インデックス)ウォルマートは会員プログラムの特典を拡大し続けている。昨年のインデックスで、米モダンリテール+リサーチは、ウォルマートとパラマウントプラス(Paramount+)ストリーミングサービスとのパートナーシップについて言及した。ウォルマートプラス(Walmart Plus)は今年、ブラックフライデーセールへの早期アクセスや、Amazonのプライムデーに直接対抗するウォルマートプラスウィークエンド(Walmart Plus Weekend)と呼ばれる7月の週末限定セールなど、プロモーションセールへの早期アクセスを追加した。ウォルマートがほかに抜きん出ている分野はAIだ。マイクロソフト(Microsoft)と提携し、自社のオンサイト内およびアプリ内の検索機能に生成AIを統合した。この新機能により、買い物客は「ユニコーンの飾り」や「お皿」など個別の商品について検索する代わりに、「ユニコーンをテーマにしたパーティーの計画を立てたい」といった文章を入力できるようになった。ウォルマートが検索アルゴリズムにAIを採用したのは、顧客のデジタル体験を重視し、長期的にはサイト全体のパフォーマンスを引き上げることが目的だ。もっと詳しく知る:米モダンリテール+リサーチのeコマース戦略分析では、小売の向かう方向を調査している。[原文:Research Briefing: Walmart’s e-commerce strategy and growth]Li Lu(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)Image via Walmart