米ツアー9勝目をマークした松山英樹【写真:ロイター】

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9勝目を挙げたジェネシス招待

 現地18日まで米カリフォルニア州で行われた米男子ゴルフツアーのジェネシス招待は、最終日に6打差を大逆転した松山英樹(LEXUS)が米通算9勝目を挙げて幕を閉じた。終盤の猛チャージで優勝を手繰り寄せた中、米国のネット上ではあるシーンが議論の的に。中継していた放送局では、アナリストが問題なしと証明して松山を擁護し、キャスターも“ネット警察”に対して痛烈な一言を浴びせていた。

 注目を集めたシーンは17番パー5、松山の第3打の直前だった。グリーン横のラフにこぼれたボールを打とうと、アドレスの際にクラブをソールした。その際、ラフに沈んでたボールがかすかに動いたように見えたが、クラブを離すとボールは再びラフに沈む形となった。この直後、松山はチップショットで打つと、ボールはピン横1メートルにピタリ。これを沈めてバーディーとし、後続との差をさらに広げた。

 米スポーツ専門局「CBSスポーツ」のゴルフ専門X(旧ツイッター)は、中継内でとらえられたクローズアップ動画を公開。その中でCBSスポーツのキャスター、ジム・ナンツ氏は「マツヤマの17番でボールが動いたと言われている」とSNS上の米ファンが指摘していた声を伝えつつ、「これは正しくない」とその声を即座に一蹴。「さあここで証明しよう」とリプレー検証を始めた。

 ルール&レビューアナリストのマーク・ダズバベック氏は映像に対して「ボールは動いていない。少し移動した感じはあるが、同じ位置にとどまっていた。(もし触れていたなら)ボールは違う位置に動かなければならない。でもただそれは動いていなかった」と位置が変わっていないことを強調。松山へのペナルティーを否定し、問題なしを強調していた。

 ナンツ氏は「他に粗探しをする相手を見つけにいけ」と指摘の声に強烈な一言もぶつけた。この件については、米専門メディア「ゴルフ.com」などに寄稿するジェフ・エイゼンバンド記者も自身のXで松山を擁護。海外では過去にもテレビ視聴者からの指摘で罰打を課されるケースがあり、中継映像で映し出されることが多い上位選手ほど不利になるとの観点から、視聴者からの指摘を受け付けないというルールを設けているツアーも多くなっている。

(THE ANSWER編集部)