金曜レギュラーの春風亭一蔵さんが、落語界の未来をリードする可能性を秘めた若手噺家を紹介!1月26日の『くにまる食堂』は“お抜かれ連”のリーサル・ウェポンと称される、春風亭朝之助さんを招いて後輩に抜かれる気持ちを伺った。

一蔵「今日は自信もってプレゼンします!実はこんな面白い子がいるんだっていうのを文化放送で発信していければいいなと。春風亭一朝一門は10人の内弟子がいるんですけど、私が5番弟子、そのすぐ下の6番弟子の朝之助さんです。」

朝之助「よろしくお願いします。兄さん、本当に僕でよかったんですか?」

邦丸「(笑)あの、いいいんだけどさ、ずっと兄さんの方ばっかり見てるね。こっちに全然目を合わせない。」

朝之助「そうなんです。なんか見ると安心するんですよ。」

一蔵「僕の真打披露のときは、朝之助さんが「番頭」をしてくれたんです。新真打ちは落語に集中しなきゃいけないんで、差し入れやご祝儀を担当する「番頭」という役目を弟弟子が務めるという方法がございまして、それを朝之助さんがやってくれたんですが、「朝之助!なんとかをやれ!」って指示出しても、ずっと僕の後ろを付いてくる。「俺の後ろを歩いてたら出来ないだろう! そっち行けよ」って言っても「はい」って言ったまんま、ずっと後ろついてくる。こういう子なんですね。」

邦丸「細身で可愛らしい顔をしていますけど、今おいくつでらっしゃいますか?」

朝之助「今39歳でございます。」

邦丸「母校・國學院大學時代に知り合った奥様と、お子さんもいらっしゃるというのに、不安げな迷子の子猫・子犬のような感じです。」

邦丸「“お抜かれ連”っていうのは、リスナーの皆様にもだいぶご理解いただけてると思います。要するに、自分より年が下だったり入門が後の後輩が、自分を抜いて昇進するという、抜かれてしまった人たちの集まりですが、朝之助さんはどういう立ち位置の方?」

一蔵「最も上位ですよ、男子だとトップぐらい。柳家花ごめ、古今亭志ん松、春風亭朝之助の3人が今の落語協会の2つ目の中で一番香盤が上なんです。この3人は同日に楽屋入りしていて、一番抜かれた人達です。」

邦丸「抜いてった人をずっと見続けてるわけですよね。真打になっていく後輩たちを。その辺の心境はどうなんですか?」

朝之助「いやもう…決まっちゃったんだもん。だってしょうがない。」

一蔵「ちょうど“お抜かれ”が決まった日に、たまたま僕一緒にいたんですよ。僕の同期3人と朝之助たちの仲間と飲んでたんです。抜かれるのは知ってたんですけど、ちょっと言えないじゃないですか。そしたら性格が屈折してる十代目の入船亭扇橋という同期が、僕ともう一人の同期がトイレ行ってる間に、「あ~、抜かれる心境ってどうなの?」って聞いたんですよ。そしたら朝之助さん、今みたいなリアクションだったんです。「気にしてないですよ。抜擢決まったんですか?」って言ってたんですけど、それが某ホテルのビュッフェで、その後、僕とアイスを取りに行ったらボソッと、「抜かれるんだ」って。めちゃめちゃ気にしてんじゃん!」

朝之助「そうですよ。もうあのあと全然美味しくなかった!」

一蔵「日本一と言ってもいいローストビーフの有名なあのホテルの高級ビュッフェが美味しくない?」

朝之助「もう美味しくない。ローストビーフ、ただの紙です!」

このあとさらに、後輩に抜かれると何が気まずいのかを徹底掘り下げ!傷をえぐるようなトークの続きはradikoのタイムフリー機能でご確認ください。