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 ケルン戦でも決勝弾を叩き込むなど、ブンデスリーガにおけるその存在感は日増しに、高まり続けているハリー・ケイン。キッカーが得た情報では年内にもユニフォーム売り上げ記録が見込まれるなど、そのフィーバーぶりはドイツサッカー史上にも残るほどのインパクトだが(シーズンベースの予測は10万枚)、しかしながら今回の対戦以前となるブンデスリーガでの100日間を改めて振り返ってみても、そのインパクトは数字からも十分すぎるほど感じられるものだといえる。

史上最速ペースの得点数

 たとえば開幕から11試合で17得点(現在は18得点)は、移籍初年度としてはシャルケのマティシャク(13得点)を、そしてロベルト・レヴァンドフスキが2019年に記録した16得点をも上回る史上最速ペース。3度のハットトリックは既に初年度としての記録だ。またリロイ・サネとの息のあったコンビで互いに(サネに3アシスト、ケインに4アシスト)これほどお膳立てし合うことは極めて稀であり、サネは今季キッカー採点平均1.86とまさに絶好調(歴代3位の数字)。

連携と空中戦の強化

 レヴァンドフスキがPA内に21%張っていた(21/22シーズン、最終的に6アシスト)のに対してケインは16%とコンビネーションに長けており、そんな相乗効果もあってこの時点でケインが記録する、スコアポイント22というのもまた、レヴァンドフスキ(2020)とイビセヴィッチ(2008)が記録した19を上回る史上最速ペース。実際にそういった恩恵はトッテナムでもソン・フンミンが受けてきた。加えて空中戦からの得点の割合44%は、レヴァンドフスキの21/22シーズンでの16.7%を大きく上回るもの。

1億ユーロ男による多大な貢献度

 このようにしてこれまでとは異なるアプローチによって、チームの総得点(42得点)の半分以上に関わっている(21/22シーズンのレヴァンドフスキが42%、昨季ムシアラが25%)ことからも、改めていかに今夏1億ユーロを超える金額で獲得したバイエルンが大きく依存しているかわかるというものだろう。ちなみにこれまでの移籍初年度最速ペースは2006年のジエゴ。そしてシーズン全体での記録はルカ・トニ(07/08)とコロ・ムアニ(22/23)の31となっている。

決定力はリーグ3分の1以内をキープ

 とはいえ決してバイエルンの決定力が全体的にそこまで低いというわけでもない。確かに12節を終えてバイエルンは最多となる126本のシュートを放ち(首位レバークーゼンは109回、ドルトムントは72回)、34.12%でリーグ全体6位を記録。レヴァークーゼンはその下の33.94%であり、何も問題視するほどではない。ちなみに1位はライプツィヒで37.66%、2位はシュトゥットガルトで36.9%、3位はアウグスブルクの36.84%、4位はホッフェンハイムの35.93%、5位はドルトムントの34.72%。