M-1挑戦者は見習うべき!?定番化し始めた「ルームシェア芸人が売れる」ジンクス

写真拡大

「キングオブコント2023」で優勝したサルゴリラ。44歳の赤羽健壱と43歳の児玉智洋は幼なじみで、出会っておよそ40年。しかし、コンビ結成は7年目と短い。06年から15年まで、松橋周太呂と3人で「ジューシーズ」として活動していたからだ。

 ジューシーズは同じトリオ芸人のジャングルポケット、パンサーとブレイク間近と期待されたが、2組に大差をつけられた。その時期に、家事が趣味だった松橋が「家事えもん」の名前で情報番組で大ブレイクして、のちに脱退。松橋は、TOKIOの松岡昌宏主演ドラマ「家政夫のミタゾノ」(テレビ朝日系)でシーズン1から現在放映中のシーズン6まで、家事監修としてスタッフ入りしている。

 赤貧生活から脱せなかった赤羽は、44年間実家暮らし。児玉はピースの又吉直樹が住んでいた都内の3LDKの高級マンションに、家賃負担わずか1割というタダ同然の低価格で居候していた。又吉は7割負担。残りの2割は、パンサーの向井慧だった。

 先輩と後輩によるトライアングル生活が順調だったころ、又吉は芥川賞を受賞。同居を解消後、向井はMCの才能が認められて、情報番組「よるのブランチ」(TBS系)のメインMCに抜てき。徐々に番組の大役を任せられるようになり、昨春は平日朝のラジオの帯番組「パンサー向井の#ふらっと」(TBSラジオ)がスタート。ついに、TBSラジオの朝の顔まで上りつめた。

 昨年はこのように、同居メンバーが売れていく事例が目立った。オズワルド・伊藤俊介もそんな1人だ。

 伊藤は「M-1グランプリ2019」で決勝戦に初進出してブレイク。昨年まで4年連続でファイナルの舞台に立っている。売れはじめた20年にYouTubeで「ルームシェアオーディション」を告知。応募者から蛙亭・イワクラ、森本サイダー、ママタルト・大鶴肥満を選出して、奇妙な共同生活を始めた。

 すると蛙亭は「キングオブコント」で21年と23年に決勝戦へ進出。ピン芸人の森本は「R-1グランプリ2021」でファイナリストになった。大鶴は昨年のM-1で初めて敗者復活戦まで勝ち進み、芸人で最重量といわれている体重180kgを武器にバラエティー番組の仕事を増やした。

 伊藤とイワクラはこの同棲を機に、真剣交際に発展。イワクラは昨春にルームシェアから卒業し、現在は佐川ピン芸人が入居している。

「同居芸人がブレイクするジンクスはかねてからあり、多くのM-1王者も生まれています。そんななか、15年のM-1王者のトレンディエンジェルのたかしと、M-1ファイナリストのメイプル超合金のカズレーザーはいまだに同居中。お金はあるのに同居を解消せず、もう8年に及びました」(エンタメ誌ライター)

 今年のM-1決勝までおよそ1カ月。芸人同士でルームシェアしている準決勝進出芸人は、ジンクスを信じてやまないか。

(北村ともこ)