サバとコーヒーのペアリングを追求する唯一無二の専門店!サバビリヤニ&サバのバインミーが絶品の旨さ
自家焙煎のスペシャリティコーヒーを提供するコーヒー専門店『ソルズコーヒー』。
本記事でも以前ご紹介させていただいたが、東京・蔵前/浅草橋/東京スカイツリー ソラマチ、そして、福井県が誇る「鯖街道」の宿場町・若狭町でのオープンをきっかけに、サバメニューの提供をスタート。
コーヒーに合う「サバサンド」や「サバキッシュ」が大ブレイク。さらには、オリジナルサバ缶「サバズコーヒー」も開発。サバグルメの祭典「鯖サミット」にも出店、大好評!
いまや「サバとコーヒーのペアリングを追求」するという、唯一無二のコーヒー専門店だ。
そんなソルズコーヒーが、またまたやってくれました!!!
マンションの2階にあるコーヒー専門店で「鯖ビリヤニ」がデビュー
2023年3月、5店舗目となる『SOL’S COFFEE APARTMENT(ソルズコーヒーアパートメント)』が板橋区大山にオープン。そこで新たに、コーヒーに合う「鯖ビリヤニ」がデビュー!
「すっかり、サバ推しの店になっちゃいましたね」と笑うのは、オーナーの荒井利枝子さん。 ソルズコーヒーアパートメントがあるのはマンション「Well-Blend板橋大山」の2階。
無印良品を展開する「良品計画」と連携しているため、マンション内にモデルルームも常設。ソルズコーヒーアパートメントのキッチンや食器類も無印良品というスタイリッシュな空間だ。
もちろんお店は入居者だけではなく、地域の人々も利用可能だ。マンションのコンセプトである「地域の人々と入居者がゆるやかにつながる暮らし」の「空間」としての機能を果たすこともあり、他店舗よりもフードメニューを充実させることに。
はからずも荒井さんが、おいしいコーヒーを堪能できるカフェの激戦区であるオーストラリア・メルボルンを訪れ、充実したフードメニューを体験したところでもあった。
そこで「サバ」である。
そして、なぜ「ビリヤニ」????
「フードメニューのコンセプトは、オリジナリティがあって『カフェごはん過ぎず、本格的過ぎない料理』でした」と語るのは、店長の齋 真奈美さん。どんなメニューにしようか、と考えたときにひらめいたのがビリヤニだった。
じつは、ビリヤニはソルズコーヒーの「まかない飯」。
荒井さんのご主人であり、店舗マネージャーである中島 梓さんが作るビリヤニがいちばん人気だったのだ。
齋さんは「スタッフもみんな大好きなメニューなら、お客さまにも大事に提供できそう、と開発を手掛けることになったんです」と説明する。
そして「ソルズでしか食べられないビリヤニを」と、サバを使ったビリヤニに決定。
そもそもまかない以外で、ビリヤニを食べたことがなかったという齋さん。おいしいと評判の店へ足を運んで食べ、研究を重ねた。
「何度も何度も試作、試食でした」と、語るのはともに開発に携わった栗本啓貴さん。栗本さんはソルズコーヒーの「サバ担当」。なんと、もともと冷凍水産物を販売する企業で、サバの買い付けを担当していたという経歴の持ち主。バリバリのサバプロフェッショナル。そしてサバとコーヒーに精通しているという、世界唯一の「サバリスタ」でもある。
コーヒーと相性バツグンの「鯖ビリヤニ」
そんな強力助っ人もあらわれ、完成した「鯖ビリヤニ」。サバは、オリジナルサバ缶「サバズコーヒー」を使用。ソルズコーヒーで大好評の「サバサンド」に使われている「特製サバペースト」の味わいをサバ缶で再現したものだ。
厳選したサバの身はふっくら、旨みいっぱい。そして醤油、ゴマ油、ナンプラーなどの調味料で味付けしたサバは、コーヒーと相性バツグン!
そして、鯖ビリヤニとも相性バツグンだった。齋さんが「ナンプラーが入っているせいか、エスニックと相性がいいみたいで。味がピタリと決まりやすいんです」と笑顔で語る。
鯖ビリヤニの調理は、まずバスマティライスをスパイスと一緒に炊く。使用しているのはシナモン、クローブ、トウガラシ、ローリエなどだ。「コーヒーの味がわからなくならず、料理と一緒に楽しんでいただけるように、スパイスはおだやかでやさしい仕上がりになるものを厳選しています」と齋さんが説明する。「辛みも控えめです」。
続いて、サバズコーヒーと玉ねぎ、パプリカをコンフィしてソースに。こちらもサバの味わいをいかすために工夫を凝らしている。
また、サバの旨みを引き出すスパイスとしてコリアンダー、ナツメグなどを使用し、隠し味にトマトソース、醤油をプラス。さらにバターミルクを加えてマイルドに仕上げる。また、サバズコーヒーならではの、身のふっくらした肉厚感が失われないように、調理の際にほぐすバランスも熟慮した。
そしてソースとバスマティライスを合わせ、炒めて完成。
トッピングはスパイスオイルで仕上げた「アチャール風スパイス卵」。
薬味はミョウガと青じそ、そしてレモンだ。「ミョウガがとても合うんです。レモンをしぼって味変してもおいしいですよ」と齋さん。
ゴロゴロっとしたサバの身が入ったビリヤニを口に運ぶと……さまざまなスパイスの風味で、サバの旨み、甘みが華やかに広がる。食べ進めるうち、サバの味わいのいろいろな表情が軽やかにみえてくる感じ。
スパイスが利いたなんとも複雑で奥深い味わいなのだけれど、日常ごはんといっても何の違和感もない「よりそい系」。圧がないのであっさりいただける。さりげない。コーヒーの湯気のむこうに佇むような、いたってやさしい「癒し系ビリヤニ」である。
いうならば、「オリエンタルなサバの炊き込みごはん」風。近隣のおばあちゃんたちに大好評というのもうなずける。
目玉焼きをスプーンで崩して決壊させる。うーん、黄身が絡んだスパイス風味のサバのまろやかな幸せったら(涙)。そして、ミョウガが最高の相性。じつに鮮やかなアクセント! レモンをしぼると、爽やかな味わいでまたまたスプーンがとまらず(涙)。
それにしても味の決め手となる、サバズコーヒー恐るべし。普通、味付き缶は料理に使うと仕上がりの味が濃くなったり、味を変えるために加えた調味料でトゥーマッチになりがちだけれど、こちらは見事に「ナイスサバランス」!
なかなか、やり手なサバ缶である。
さらに、最近もう1品、ソルズコーヒーアパートメントに新たなサバメニューが加わった。サバのバインミー「サバインミー」だ。
サバと鶏肉の融合「サバインミー」
開発のきっかけを、齋さんにたずねた。
「サバインミーという名前がつけたかったんです……」
……まさかのサバダジャレ!?
スタッフにもサバマインドが浸透してきたようだ。サバらしい!
こちらも使用するのはもちろんサバズコーヒー。
そして「『バインミーを食べたい』という人にも、十分喜んでもらえる具材たっぷりでボリューミーな『バインミー感』もそなえたもの」にと検討。その結果、誕生したバインミーはなんともハイスペックなものだった。
サバズコーヒーで作った特製のサバペ―ストを塗ったパンに鶏肉、野菜を挟むというまさかの「サバと鶏肉タッグ」が楽しめるというバインミーが完成した。
サバズコーヒーは玉ねぎとともにバターで炒め、ペッパーをふり、スープを加えてミキサーでなめらかなペースト状に。
鶏肉は地元・板橋区コラボ。鶏肉ひと筋120年以上という歴史を誇る、鶏肉の名店『鳥新』の蒸し鶏を使用した。
パンは、自家製。時間がたってもパサつかず、おいしく食べられるように、強力粉に熱湯を加えて練った「湯種」を使用。国産の全粒粉に、菜種油、ハチミツを加えて風味豊かに焼き上げる。
パンには、サバペーストをたっぷりと!!
そして、パクチーもたっぷり!
鶏肉、ベトナム風なます、パプリカを挟む。
なますはにんじんとレッドオニオン。大根は不使用だ。「大根って硬さと主張があるので、あえてレッドオニオンでおだやかにしてみました」と齋さん。
「おだやか仕上げ」のサバインミーにかぶりつくと、むっちり味がしっかりした鶏肉に絡まるように、広がるサバの旨み。サバ、見えてませんが、消えてませんよ! ちゃんと主張してますから!! 鶏と合わせ技で、味の奥行きが深い深い。そこにおだやかな風味のなます、甘みがあってフカッ、もちっとしたパンで、ほっこりなごむ後味。またまたですが、「よりそい系」。
合わせるコーヒーは「グアテマラ アンティグア ラコリーナ」だと、さっぱり、余韻が楽しめて、「エチオピア イルガチェフ アリーシャ ナチュラル」だと、サバの甘みが感じられる……などなど、サバインミーと食中コーヒーの楽しみもソルズコーヒーならではの楽しみ方。
そして、ソルズコーヒーの最大の魅力は「コーヒーとサバのおだやかな時間」が過ごせること!
ちなみに、ソルズコーヒーアパートメントのコンセプトはこうだ。
「coffee first, schemes later」
色々忙しない日々ですが、とりあえずコーヒー飲もう
日々の生活に追われているサバファンのみなさま、とりあえずソルズコーヒーアパートメントでコーヒー飲んで、サバ食べよう。
■SOL’S COFFEE APARTMENT(ソルズコーヒーアパートメント)
[住所]東京都板橋区熊野町25-1 Well-Blend 板橋大山2階
[電話番号]080-1835-6721
[営業時間]8時〜18時、土・日・祝9時〜19時
[休み]水
[席数]カウンターあり、全25席
[交通]東武東上線大山駅東口から徒歩9分
※サバインミーの提供は、土・日・祝のみ
■池田陽子
全日本さば連合会広報担当 サバジェンヌ/薬膳アテンダント
サバを愛する消費者の集まりである「全日本さば連合会」(全さば連)の広報を担当。日本各地のサバ情報の発信、サバ商品のPR、商品開発等を行う。北京中医薬大学日本校を卒業、国際中医薬膳師資格を持ち、薬膳アテンダントとしても活動。水産庁「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」認定メンバー。著書に『サバが好き!〜旨すぎる国民的青魚のすべて』(山と渓谷社)、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)など。全さば連HP:http://all38.com/
取材・撮影/池田陽子