工事現場を訪ねて確認することは、後悔しない家づくりにつながることも。工事担当者から役立つ話をもらったり、実際に空間を体感することで気づきがあったり。3年前にハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターのケースでは、使いやすい玄関に仕様変更するきっかけになりました。その経緯や、実際に追加費用が発生したかなど、詳しくレポートします。

工事中に仕様変更した場所は2か所

わが家は子ども2人(4歳と1歳)を含む4人家族で、3年前にハウスメーカーで総2階の家を建てました。なお、家は妻の実家の敷地内にあります。

わが家が工事中に仕様変更した箇所は、2つあります。1つ目は、廊下から玄関土間にせり出していた三角形(上の図のオレンジ色の部分)を削って、玄関土間を広くしたことです。

上の写真は、変更前の図面です。LINEでやり取りした画像のため少々粗いですが、このオレンジ色の部分を削ることで、玄関土間(靴脱ぎスペース)が広くなり、使い勝手がアップしたと感じています。

2つ目は、玄関のゲタ箱横のすき間に造作の棚を採用したこと(写真左下の玄関入り口部分)です。当初の玄関の収納スペースはゲタ箱のみ。その下とゲタ箱横に空間があいている状態でした。現場を見て、なにかものを置く棚のような場所が欲しいと直感。工事中でしたが、仕様変更して造作の棚を設置したことで、小物を置くスペースができました。

 

玄関の框の形状変更は現場の工事担当者からのアドレス

上は、玄関の框の形状変更によって広くなった玄関土間の写真です。造作の棚の設置は家の引き渡し後でもできますが、この框の形状の変更(削減)は、施工前でなければできません。

じつは、この変更は、現場を訪問したときに、工事担当者の話を聞けたことで決めることができました。

妻の実家の敷地内で工事を行っていたため、妻や妻のご両親が頻繁に工事担当者へ差し入れをしていました。そのこともあって担当者と仲よくなり、いろいろ話をするようになってのです。そのなかで玄関の框の形状について「斜めにすると狭くなり不便になる」という話が。

家に関して知識も経験豊富な担当者の話を聞き、確かにそのとおりだと思いました。そこで、框の形状を変更することにしたのです。玄関の工事前だったこともラッキーでした。

この変更で、玄関で靴を履くスペースが広くなりました。住んでみると、それ以外にうれしいことが。玄関でベビーカーを広げても余裕! 仕様変更して正解でした。

図面ではわからない!現場訪問で造作の棚を追加

造作の棚についても、きっかけは現場訪問でした。実際に現場を見た結果、玄関にものを置くスペースがあまりにも少ないと感じたため、追加で設置することを決めました。

図面やシミュレーション画像で見るものと、工事中とはいえ実物を見るのでは大きく変わるのだと実感しました。

実際に暮らし始めると、この造作の棚が、家の鍵や定期券置き場として重宝しています。この場所にあることで、忘れ物防止になっていますし、探す手間も省けています。また、アルコール消毒液やマスクを置くスペースとしても役立っています。

 

仕様変更に必要な申請や費用などは?

同じ仕様変更ですが、框の形状変更と造作の棚の設置では、内容が異なります。

玄関の框の形状変更は、もとの計画から削る内容で、かつ工事前だったので、とくに申請は行いませんでした。そのため、もとの工事費用から削減にもつながっていません。

造作の棚については、家の工事とはまったく別扱いで、追加工事としての対応に。追加工事の見積書(写真)を確認し、発注書にサイン。銀行振り込みして完了でした。ちなみに束金額は、棚をつくる材料代のみですみました。

わが家のケースでは、工事中で、かつ希望の場所が工事前だったので、仕様変更は可能でした。図面やシミュレーション写真で見るのと、実際の家を見るのでは感じ方も変わります。その場合、実物を見たときの直感の方が、正解だと個人的には思います。後悔しない家を建てるためにも現場訪問は大事だと思います。

なお、この2点はあくまでわが家の事例です。計画から工事不要になった部分は、費用削減になる可能性もあるでしょう。また、追加工事を依頼する場合でも、家の工事に組み込んでもらえるかもしれません。実際に依頼するメーカーに確認するといいでしょう。