「日本の行動は予想外だ」JFAのサウジのW杯招致支持に中国メディアは愕然「ワールドカップは永遠に遠い」

写真拡大 (全2枚)

代表チームの強化が遅々として進んでいない中国。彼らは日本の動きにも敏感な反応をしている。(C)Getty Images

 日本サッカーの動向に中国メディアが敏感に反応した。

 10月19日、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は、理事会後のメディアブリーフィングにおいて、2034年のワールドカップ(W杯)開催を立候補しているサウジアラビアを支持表明。アジアの団結の重要性を示し、「正式にサウジをサポートすると、本日付けで(AFCとサウジに)レターを出すことを決めた」と公言した。

【動画】久保建英のアシストから伊東純也がゴール!チュニジアから2点目を奪った鮮やかな崩しの映像を見る

 JFAは「2005年宣言」と題した発表において2050年までのW杯単独開催と、優勝を目指すとしている。そうしたなかで34年大会の招致を断念、さらにサウジを支持する形となった決定は、アジアの各国にも小さくない反響を呼んでいる。とりわけ大きな反応を示したのは、中国メディアだった。

 スポーツメディア『捜狐』は、中国サッカー界が34年W杯の招致に向けて動いていたとしたうえで、田嶋会長の発言について「悪い知らせが届いた。日本がワールドカップ招致から撤退し、さらにサウジアラビアの支持を発表した」と強調。「我らが代表チームのワールドカップへの道のりは再び険しいものになった」とし、次のように憂いた。

「次世代の育成が全く進んでいない中国代表が、30年までにワールドカップ出場を目指すのは極めて困難だ。ゆえに34年大会の招致ができれば、開催国枠での出場が叶ったかもしれない。しかし、大きな影響力を持つ日本がサウジアラビアを支持したことでそれも容易ではなくなった」

 さらに「日本の行動は予想外だった」と一連の動向について率直な感想を記した同メディアは、「サウジアラビアは元々34年大会の開催国争いにおいては最大の敵だったが、可能性はかなり狭まった」と指摘。そして「代表チームがワールドカップに進むための道のりは、永遠に思えるほど遠い」と嘆いた。

 国内サッカーの競争力低下が叫ばれる中国。ワールドカップ出場を望む彼らにとって、今回のJFAの判断は小さくない衝撃となっているようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]