あとは九州道接続部の事業化を待つのみです。

熊本港線まで事業化済み


2017年に先行開通した熊本西環状道路の下硯川〜花園(画像:熊本県)。

 人口74万人を擁する大都市・熊本市では、九州自動車道が東側の郊外をぐるりと迂回する形になっています。しかし、そこから熊本市中心街へは大きな道路があまりなく、他地域と移動する際に、なかなか市街を出られないという課題があります。

 なかでも熊本市西部は特に高速道路までが遠いため、特に市街地の渋滞に悩まされています。そのため、ここに九州道へのダイレクトアクセスを実現する「熊本西環状道路」の整備事業がおこなわれています。

 熊本西環状道路のルートは、九州道の北区内に「熊本北JCT(仮)」を設け、そこから南西へ分岐。熊本駅西側の山裾を南下していき、砂原で熊本港線へ接続するというものです。気になる進捗ですが、2023年9月現在、以下のようになっています。

【調査中】九州道〜国道3号植木バイパス(下硯川IC)
 九州道の内側に、環状道路「熊本東・熊本北・植木バイパス」があります。これは最終的に北へ伸びて九州道の植木ICへつながる予定ですが、九州道からそこへ接続するまでの約4kmは、まだ事業化していません。

 しかし、9月13日の県の発表では、概略ルートがほぼ決まりになったとのこと。これから都市計画決定や環境アセスメントの手続きが進められていく予定です。

【先行開通】下硯川IC〜花園IC
 JR崇城大学前駅の山手あたりにある花園ICまでが、2017年に暫定2車線で開通済み。開通効果として、北部から上熊本を経由して中心部に行く車が、この「熊本西環状」を経由することで、所要時間が8分短縮されたといいます。さらに既存ルートは昔ながらの2車線道路で信号も多く渋滞が多発していましたが、開通後は交通が分散され、特に渋滞ポイントの貢町交差点ではまったく渋滞しなくなったといいます。

【2025年度開通めど】花園IC〜池上IC
 ここまで開通すれば、熊本駅の西側近くまで高速道路がやってくることとなります。橋脚はほぼ完成し、現在は橋桁の架設が続いています。

 熊本駅東側から山をぶち抜いて池上地区へ直結道路が完成していますが、これがさらに西へ伸び、池上ICまでつながって「IC〜駅直結アクセス道路」となる予定です。

【2022年事業化】池上IC〜砂原IC
 2022年4月に、ようやく事業化を果たしました。測量設計や用地取得の段階となっています。開通後は、熊本港方面まで「熊本東・熊本北バイパス」を延々と走る必要があったのが、この道路をまっすぐ南下してJR西側まで直結されることとなります。途中には城山ICが設置され、地方卸売市場「田崎市場」も九州道と直結することになります。