著書『黙殺される教師の「性暴力」』が発売中で、長年勤めた朝日新聞に退職届を出した南彰さんが9月8日の大竹まことゴールデンラジオに登場。どうして大手新聞社を辞めるのか?大竹と室井が単刀直入に伺った。

大竹「南さんは朝日新聞社をお辞めになるそうですね。何年いらしたんですか?」

南「21年いました。」

室井「今、お幾つですか?」

南「私は44歳になりました。」

大竹「朝日のずっと政治畑でいらっしゃいましたね。」

南「10年余り政治報道に携わってきました。」

室井「なんで(辞めるの)?」

南「直球ですね。(笑)これだけメディアを取り巻く環境が変わってきている中で、今日報道されているジャニーズの件もそうだし、いろんな政権にまつわる話もそうだし、ちゃんとメディアが報道しておけば、こんなことにならなかったのにっていう話がいっぱいある中で、朝日が今、主体的な役割を果たし得る体制になっているのか。また、その気概をちゃんと市民に示す体制になっているのか。あと何より、そういうことをやる社員・記者を大切にしているんだろうかとか、いくつかが多分今の朝日のやり方だけだと新しい環境に対応できないんじゃないかと…」

大竹「そうなんですか。それでも、天下の朝日と思うわけですが、質問が一社一つに限られたり、繰り返して質問するのはなし、みたいになると記者の力を発揮できないんじゃないかなと思います。」

南「誤魔化したい方がやりたい放題できる環境を、メディアが許してしまったということが、ずっと続いていると思うんですね。」

大竹「メディアが力をちゃんと発揮できてなくて、その上SNSが出てくると情報の発信が早くて簡単な方に私たちも飛びつくっていう習性があることは確かです。すると紙業界は発行部数も落ちて貧死の状態です。それでも、新聞を信じてくれる方がたくさんいるのに、記者として情報をうまく届けることが難しくなってきたっていうことでしょうか?」

南「そうですね。やっぱり経営が苦しくなると人を減らすので、例えば全国紙も地方から記者を撤退させているわけです。それプラス、デジタルになると東京を中心に読む人が多い記事をどんどん出そうとします。また、今までの新聞という紙媒体では、価値づけを含めてパッケージで示せたものが、バラバラのニュースで一本一本広がっていくと、このニュースをどう受け止めたらいいんだろう、どのくらい真剣に考えたらいいんだろう、ということが分からないまま、いろんな情報が流れていってしまいます。」

大竹「新聞がトップに載せた記事で、この新聞社はこれを報じたいのかなとか僕たちは感じるわけだよね。でも失礼だけど近頃は「この記事をトップにするの?えー?」というのあります。(笑)デジタルになると右でも左でも、選びたいものしか自分に入ってこないから、よけいに偏った情報になってしまいますよね。」

南「今までの全国紙が全部一社でカバーするという体制から、地方メディアのネットワークで新しいニュースの生態系みたいなのを作っていくという、ネットワーク型に変わっていくと思うし、変わらなくちゃいけないんじゃないかなと思うんですね。」

室井「でも家族に「何考えてんだ!」って言われませんでした?」

南「辞めるって言って?それは言われましたよ。」

大竹・室井(笑)

この他、竹内さんと菅原さん、さらに大竹も経験した四畳半での同棲エピソードや、かつての苦労話が続々飛び出した。気になる方はradikoのタイムフリー機能でご確認ください。