「俺、そんなに体力ないよ…」男が女へのLINEを止めた″ある理由″とは
今週のテーマは「デートの帰り際、男からの一夜の誘いを断った女。途端に男が冷たくなった理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:「今夜一緒に帰れないよね?」タクシーから降りる際、気になる彼に誘われて…
金曜12時。昼休みにスマホを見てみると、萌から一通のLINEが入っている。
― 萌:涼太君が前に話していた映画見たよ!面白かった!
1ヶ月前の僕だったら、すぐに返信をしていたと思う。「次は一緒に見ようよ」とかも言っていたはず。
そして翌日になってから、返信してみた。
― Ryota:見たんだ!面白いよね、あのシリーズ。
ただLINEを打ち終わっても、返信も期待していないし待ってもいないということに気がつく。
3ヶ月前に出会い、結構僕なりに攻めていたと思う。でも、もう僕の中で萌の時代は終わったのだった…。
A1:最初は気になっていたし、落としたかったから積極的だった
萌と出会ったのは、ゴルフ場だ。
僕の男友達が女友達を誘い、そこにいたのが萌だった。ラウンド開始前に初めて挨拶したが、その時から、スタイルが良くて可愛いなと思っていた。
だからラウンド中も、タイミングを見ながら積極的に僕は話しかけた。
「萌ちゃんは、普段はなんのお仕事をしているの?」
「私は営業です。涼太さんは?」
「僕は不動産関係だよ」
ゴルフは男女ともに、性格がよくわかるスポーツだと思う。一緒にラウンドをしているうちに、萌は気遣いができていい子なのがよくわかった。
「ゴルフはよく行かれるんですか?」
「うん。月に2回くらいかな。萌ちゃんは?」
「私は車がないので、月に1回行くか行かないか…という感じです」
「また今度一緒に行こうよ」
シンプルにまた会いたかったし、一緒にゴルフにも行きたい。すると萌も、意外に前のめりで誘いに乗ってきてくれた。
「はい、ぜひ!」
― 可愛い…!!
そう思った。そしてその日の夜。一旦各々家に戻り、着替え直してラウンドしたメンバーで『蕃 YORONIKU』で集合。僕たちはさらに仲を深めていくことになった。
「では、お疲れさまでした!」
「かんぱーい!!」
ゴルフ場の萌も可愛かったけれど、ワンピースに着替えて化粧もちゃんとしている彼女もまた可愛い。
「萌ちゃん、すごい上手だったよね〜」
「そんなことないですよ。涼太さんのほうこそ」
一緒にゴルフをすると、半日も一緒にいるから盛り上がる。話も広がり、楽しく会話ができた。
そしてもっと萌のことを知りたいと思った僕は、この食事中わかりやすく萌に多めに話しかけていた。
「萌ちゃんはどこに住んでるの?」
「私は今池尻です」
「そうなんだ!僕も三宿だから近いね」
しかも家も近いときた。これは誘うしかない。
「あのお店知ってる?」
「今度行こうよ。萌ちゃんって誘ってもいい人?」
「も、もちろんです」
もちろん、帰りは同じ方向なので僕がタクシーで萌を落としていく流れになる。
でも彼女は、「一緒の方向だし乗っていきなよ」と誘いに対して遠慮しているようだった。
「いいんですか?でも私の家のほうだと若干遠回りになってしまう気が…」
「そんなの全然いいよ!危ないし。萌ちゃんの家の近くまで行ってね」
「ありがとうございます!」
家も近いし話も合うし可愛い。僕が萌に対して積極的に動かない理由はなかった。
だから翌日から、僕は毎日のように萌に連絡をするようになった。
― Ryota:萌ちゃん、おはよう!今日もいい天気だね。
― Ryota:今日は接待で飲み過ぎた〜。萌ちゃんは何してた?
しかし僕のテンション高めの連絡に対し、萌からの返信はそっけないものが多い。それに、何度か誘ってみても断られてしまう。
だから「そろそろ潮時かな?」と思い始めた頃。ようやく、僕は萌とデートできることになった。
A2:タイミングが合わないスローペースで疲れた
そして久しぶりに会えた萌とデートをしていた時のこと。
「萌ちゃん、全然会えないから諦めかけていたよ(笑)」
「すみません、忙しくて」
「ううん。僕も毎回誘うのが急でごめんね」
たしかに、僕の誘い方も悪かった気がする。急なことが多かったし、むしろ毎日LINEを送りすぎたかもしれない。そう反省もしていた。
でもこの日のデートで、萌の気持ちが多少動き始めているのがわかった。
「じゃあ涼太さんって昨年独立されたんですね」
「そうなんだよ。だから今が正念場って感じかな」
「素敵ですね」
仕事の話をしたあたりから、僕への視線が微妙に変わり始めた。
「涼太さんって、会っていない時と会っている時の印象が違いますよね」
「そう?」
「どうしてあんなにたくさん連絡くれるんですか?」
「そんなの…理由はひとつだよ」
僕だって暇じゃないし、一生懸命アプローチしているのには理由があった。でもあまりにもなびかない萌に対し、段々と面倒になり始めた自分も少しいる。
「女性にはいつも、そんな感じなんですか?」
「そんなことないよ!俺、結構真面目だよ?(笑)」
「なーんか怪しくて…」
「怪しくないよ!一途だから安心して♡」
「ほら、そういうところ!(笑)」
会話をしていて楽しいけれど、最初に会った時から時間が空いてしまったせいか、僕自身のテンションは初回ほど上がらない。
― あれ?こんな子だったかな…。
せっかくの出会いだし大切にしたい。
でも何度誘っても断られ、会えない時点で遠回しに「NO」と断られている気がする。
無駄な戦いに挑むほど、僕も体力があるわけではない。
時間もお金も無駄に使うのはもったいない。
だからもうこの日のうちに勝負を決めようと思い、萌がタクシーが降りるタイミングで真正面から誘ってみた。
「じゃあ萌ちゃん、またね。ちなみに今夜…一緒に帰れないよね?」
僕の言葉に、すごく戸惑った顔をした萌。こんなに積極的に誘っているし、好意も分かりやすく示しているのにその反応は何なのだろうか。
「え…」
そう言うと、萌はしばらく考えている。でも次の言葉で、僕の中で完全に線引きができた。
「それはダメですよ〜。気をつけて帰ってくださいね」
― あ、この子は僕に興味がないんだな。
男の気持ちは、案外熱しやすく冷めやすい。
間違いないく最初が一番テンションが高い。だからそのピーク時にもったいぶられてタイミングを逃すと、男はその女性を追いかけるのをやめることが多い。
女性は時間が経つほど好きのピークがやってくると聞いたことがあるけれど、男性は圧倒的に最初が肝心だ。
それに何度もチャンスがあるわけではないし、男女の出会いにおいて、勢いも大事だと思う。
― 萌とは違ったんだな。
そう悟り、僕は早々に萌に時間を割くことをやめた。
▶【Q】はこちら:「今夜一緒に帰れないよね?」タクシーから降りる際、気になる彼に誘われて…
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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