8月16日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに、仮想現実空間・VRでのイベントやビジネスを展開している株式会社HIKKYのCEOである舟越靖さんが出演した。

大竹まこと「HIKKYという会社、名前の由来はなんですか?」

舟越靖「うちの最初のスタッフが、全員と言っていいほど引きこもりだったんです。どれぐらいだったかというと、家から1、2ヶ月出ないのは当たり前。人に会うとそのダメージで3日間、動けなくなってしまう、というほどの引きこもりたちが始めた会社なんです」

大竹「鬱とは違うんですか?」

舟越「それもひとつというか。鬱だったり、身体的な障害を持っていたりする人もいます。あと出たくないというか『ゲームやっていたほうが楽しい』というのもあるじゃないですか。そういう人と、何かの事情で家を出られない人が(一緒に)働ける会社ってないね、ということでつくったのがHIKKY、という感じですね」

大竹「なんでそういう人たちが集まったんですか?」

舟越「日本ってサブカルとかいろいろ、文化があるじゃないですか。その起点となってVR、デジタル空間でコミュニケーションをとるという、遊びというか文化が始まったんですよ。プラットフォームをつくる、サービスを始めるのは海外が多いんですけど、それを使い始めて文化にするのは日本が多い」

大竹「外に出ない人(社員)たちがあちこちにいると」

舟越「世界各国、日本中でバラバラに働いています」

大竹「その人たちは最初から働いていたわけじゃない。趣味で、その空間が楽しくていたんでしょう?」

舟越「そう。働いていなかった。僕はそこの人たちに、インターネット上で、うちのクリエイターに紹介されて出会ったんですね。話を聴くと『この世界が最高に楽しい』『この中で働いて生きていきたい、でも経済圏はないんだ』と聞いて。この中に経済圏ができたら彼らはものすごいパフォーマンスを発揮できるんじゃないかと考えて」

大竹「はい」

舟越「うちの会社のもうひとりの創始者、フィオというのがビジョンを持っていて。それを事業化するのに僕がコミットした、お手伝いした、というのが始まりです」

大竹「フィオさん?」

舟越「彼は……公表しているんですけど、家族もお子さんも奥さんもいて、いい年齢のおじさんなんです。バーチャル空間では女の子で、かわいらしい」

大竹「ん?」

舟越「女の子の姿かたちをしているんです。アバターといって……」

大竹「ん!?」

舟越「わかりづらいですけど、ここがきょうのキーポイントになると思います(笑)。僕もいま40代半ばなんですが、年をとってくると小さな子、若い子と距離を感じる。仮に着ぐるみか何かを着て話しかければ仲良くなれると思うんですね。でも現実でそんなことできないじゃないですか」

大竹「そうですねえ」

舟越「このVR、メタバースといわれるものは、姿かたちを自分の思ったように変えられるんですね。人間の形でもいいし、僕は男性ですけど女性の姿になってもいいんです」