安斉かれん 撮影/たむらとも

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2023年8月4日に自身初の写真集『in all (ラブ)』(小学館)を発売したアーティストの安斉かれん。湘南の音楽好き少女だった安斉は、2019年にデビューし、翌年『M 愛すべき人がいて』でドラマ初主演を遂げるなど話題をふりまいてきた。写真集の思い出や、音楽へのこだわりをあらためて聞いた。※写真集タイトルの(ラブ)部分、正式名称はハートマーク

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──デビューからの4年間で、音楽活動に加えて『M愛すべき人がいて』などでのドラマ出演、海外ライブ、そして今回の写真集と、沢山の経験をしてきました。


 
安斉 25歳くらいまでに、若い私を記録するように写真集ができればなと思っていて、それが実現したので夢が一つ叶いましたね。しかも、好きな藤沢と沖縄で撮れたので、「今の私らしさを写真にするなら」をたっぷり追求できました。

──安斉さんらしさといえば、やっぱり一貫しているのが音楽なのかなと思います。もう、20年近くのかかわりになります。



安斉 そうですね。小学生で楽器を始めて、中学生の時に初めて観たザ・ローリング・ストーンズのライブでバックのバンドが好きになってアルトサックスを始めて…でも中学では黒髪でないと吹奏楽部で大会に出させてもらえなかったので、せっかく染めた髪を黒に戻したりしていましたね。唯一ギャルでなかった時期かも(笑)。

──サックスは写真集でも印象的に使っていますし、アルバムの『ANTI HEROINE』ではインスト曲の『てくてくカレンダー』でも演奏していました。



安斉 歌よりも何よりも、とにかく楽器が好きだったんです。アルトサックスのインストラクターになりたいなと思っていた高校時代にスカウトされて、東京に出るようになったんですね。自分の声もあんまり好きではなかったし、最初は歌の話にも全然興味がなかったです。

──安斉さんの声も、ハスキーですごく特徴的だなと思いますが、声についてはそんな気持ちがあったんですね。



安斉 昔は嫌いでした。かれんの声は遠くでもわかりやすいみたいなことは言われていて、でも変わった声って嫌だなって感じてしまっていたんです。スカウトされて、avexアカデミーにも通ってトレーニングをするうちに歌も好きになって、自分の声もいいんだなって思えるようになりました。

──こうしてインタビューしている時でも、すぐ何かリズミカルに口ずさんでいます。



安斉 ちょっと暇になったりするとすぐリズムが出てくるんです。手持ち無沙汰になると何か歌っていますね。それが曲になったりとかはないんですけど(笑)。沈黙も苦手なので、ひと仕事終わると何か口ずさんでます。

──音楽以外に興味あることは見つかっていますか?



安斉 最近はたまごっちを育てていたりするんですが…長続きしていることがほとんど無いんです。音楽以外は本当に飽きっぽくて、学校の文化祭も1日で飽きて、2日目は面倒くさくなってサボっているような人間でした。

──なぜ、それだけ音楽には長いこと情熱を注いでこられたんでしょう?

 

安斉 何でもできるから、かも。飽きずにできることがたくさん見つかるんですね。曲調やメロディを変えてみるだけで、作品の出来が全然変わって来るので、そういう振り幅の広さを楽しんでこられたのかなと思います。楽器の二の次でできればいいか、と思っていた歌や作詞も、取り組んでいるうちに私の中で馴染んできました。

アルバムは出したばかりですけどR&Bもやりたいし、ジャズも好きだし…と曲作りをしていくうちに、かれんらしいね、といわれる作品を送り出せるといいかな、と考えています。目標はこうですとか、憧れの人とかの理想を抱いたこともあまりないんです。

──アーティスト像、のようなものにも、こだわりはないようですね。


 
安斉 「安斉かれんらしさ」 にも正解はないというか、その時その時によって変わるかなと思っていて、少なくとも今の私は、「らしさ」にはこだわらないでいます。今年の2つのアルバムも、一貫したイメージやテーマは考えすぎないで、いまやりたい音楽をごった煮で詰め込んだものです。ダウナーな曲もあればハッピーなカラーの曲もあって、いい意味で情緒不安定なものになったのかなと思います。

──ちなみに、曲づくりのヒントはどんなところに?



安斉 普段からよくメモをするんです。毎日考えたこととか、思ったこと、見る風景を書き留めていて、それがヒントになりますね。先にメロディーがあればそこからテーマが浮かんで、派生した言葉を書いていくうちに歌詞になっていきます。

──その過程の蓄積が、メッセージ性強めの『僕らは強くなれる。』、ファンシーな『私はドキンちゃん』、さらにサウンド面でも初音ミクとコラボする(『現実カメラ』をセルフカバーした『現実カメラ feat. 初音ミク』)といった多彩なディスコクラフィーになってきたようですね。


 
安斉 私らしい音楽、にはっきりした答えが得られることはないと思います。私もリスナーの皆さんも、無理に過去のイメージにこだわったり、逆にあえて変化を期待する必要もなくて、どんな時期の、どんな媒体で見せる安斉かれんから知ってくれてもOKです。

私も10代の頃と比べると穏やかになったというか、いろいろ経験させていただきましたし、今回の写真集でも初めての経験がたくさんありました。またMVでの映像表現などにも活かせられればな、と思っています。

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▽安斉かれん 
1999年8月15日生まれ、2019年5月1日にavexよりアーティストデビュー。2020年『M 愛すべき人がいて』でドラマ初主演。5thシングル『僕らは強くなれる。』(2020)はGoogleトレンド急上昇ワードで1位を1ヶ月の間に2度獲得。
2023年3月29日に『ANTI HEROINE』『僕らはきっと偽りだらけの世界で強くなる。』のファーストアルバム2枚を同時リリースする。8月4日にファースト写真集『in all (ラブ)』を発売。