イーロン・マスク氏の後任としてX Corp.(旧Twitter)のCEOに就任したリンダ・ヤッカリーノ氏が、ハリウッドスターやインフルエンサーをXに呼び込んで収益を回復させるために活動していると、経済紙のフィナンシャル・タイムズが報じました。

Twitter CEO Linda Yaccarino courts Hollywood in push for star power | Financial Times

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ヤッカリーノ氏は2023年6月にX Corp.のCEOに就任した人物で、世界的メディアコングロマリットのNBCユニバーサルで広報担当責任者を務めていた経歴を持っています。Xはマスク氏による買収後にさまざまな施策を打ち出しましたが、広告主離れがとどまるところを知らず、2023年7月には「広告収入が50%減少したことに加え、多額の負債を抱えており、キャッシュフローは依然としてマイナスです」とマスク氏自身が投稿しています。



後任となるヤッカリーノ氏にはXの収益を改善することが求められており、「TikTokに似た全画面かつ音の鳴る動画広告の導入」「広告関連人員を増やす」「Twitterへ参加する有名人を増やす」といった取り組みを進めていることが報じられています。また、7月には「広告費を一定額以上支払わない限り、金色の認証マーク(そのアカウントが企業公式であることを示すチェックマーク)を失うことになる」と広告主に警告していたことも明らかになりました。

Twitter改めXが広告費を一定以上支払わないと金色認証マークを剥奪すると警告 - GIGAZINE



また、ヤッカリーノ氏は自らハリウッドに赴き、タレント事務所やインフルエンサーと面会していたことをフィナンシャル・タイムズが報じました。

ヤッカリーノ氏はハリウッド4大エージェンシーに数えられるクリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー(CAA)やユナイテッド・タレント・エージェンシー(UTA)のエージェントと面会し、料理から音楽、スポーツまで多岐にわたるスターやインフルエンサーをXに引き込むためのアピールを行いました。また、フィナンシャル・タイムズの情報提供者によると、ヤッカリーノ氏はディズニーの関係者とも面会したそうです。

CAAとヤッカリーノ氏の会議に参加したある人物は、ヤッカリーノ氏がエージェントに対し「Xはタレントが望む物を作ろうとします」とアピールしたほか、互恵的な金銭パートナーシップについても言及したと証言しています。ヤッカリーノ氏の提案の中には、Xの音声配信機能であるスペースでタレントがイベントを開催するといったものが含まれていたとのこと。

X Corp.やCAA、UTA、ディズニーはいずれもフィナンシャル・タイムズへのコメントを控えました。

一連の動きは、メディア業界全体と深いコネクションを持つヤッカリーノ氏の人脈を生かしたものです。実際にヤッカリーノ氏は自身のXアカウントで、大物タレントで実業家でもあるパリス・ヒルトンとのツーショットを投稿しています。



フィナンシャル・タイムズは、マスク氏はXについてさまざまなビジョンを打ち上げているものの、多くの従業員をリストラしたこともあり、従来のテキストベースSNS以上の機能がなかなかサポートされていないと指摘しています。

2023年5月には、フロリダ州知事のロン・デサンティス氏が2024年に行われるアメリカ大統領選への出馬をスペース上で表明したものの、技術的不具合によってスペースがうまく機能せず、25分間にわたり沈黙が流れるといった事態も発生しました。この理由についてテクノロジー系メディアのPlatformerは、「マスク氏が100人いたTwitterスペースチームの従業員を大量に解雇して、もう3人しか残っていないから」だと報じています。

Twitterスペースでの大統領選出馬表明が失敗したのは「イーロン・マスクが100人いた担当者を解雇しまくって3人まで減らしたから」という指摘 - GIGAZINE



フィナンシャル・タイムズは、「一部の広告主やタレントエージェンシーは、マスク氏はヤッカリーノ氏が作り上げた好印象をすぐにかき消してしまうため、今回の人事には依然として感銘を受けていないと述べました。あるトップエージェンシーの広告担当幹部は、突然行われた『X』の発表について『ナンセンスに感じます』と述べ、『ヤッカリーノ氏がこれをどう扱うのか見てみましょう』と付け加えました。別の広告代理店幹部は、『この買収の意味はまったくわかりませんし、マスク氏の投資家にどれほどの忍耐力が残っているのでしょうか?』と話しました」と述べています。