【2023年最新ウィーン】ウィーン万博から150周年。進化の止まらない街で、今話題のスポットをひと巡り
オーストリアってどんな国?
ウィーンを首都にもつオーストリアは、8つの国と国境を接し、9つの州からなる連邦国家です。13世紀にハプスブルク家が台頭してからは、華麗なる宮廷文化のもと、音楽・美術・建築の分野でヨーロッパを牽引する存在となりました。1918年、ハプスブルク家の崩壊により、645年に及ぶ統治が終結しましたが、その時代の名残は今もウィーンの街のいたるところに見ることができます。
今、ウィーンで話題のスポットをご紹介
ウィーン万博は当時、ドイツ語圏で初めて開催された万国博覧会でした。規模はそれ以前に行われたパリ万博の5倍の大きさで、世界中の国々が一堂に集まりその文化や芸術を披露、人々を驚きの渦に巻き込みました。ウィーン2区にあるプラーター公園は、映画『第三の男』にも出てきた写真の観覧車が有名ですが、実はそのウィーン万国博覧会が当時行われた場所なんですよ。
サステナブルな最新都市「Viertel Zwei(フィアテル・ツヴァイ)」
そんなかつての万博跡地にて、2010年ごろから「Viertel Zwei」と名付けられ再開発が始まりました。ウィーンの中心部でありながら、オフィス、住居、緑が共存するサステナブルな最新地区です。街には近代的な建物が立ち並びながらも緑豊かで、古いレンガ造りの倉庫を改装したおしゃれなシェアオフィスなどもあります。人工池を要する街の地面下にはスポンジが入っており、雨水を貯められる仕組み。これにより雨が降らない時も木々に水を与えられるほか、地面が熱くなるヒートアイランド現象も防ぐことができるのだそう。ビルや集合住宅の屋上にはすべてソーラーパネルが設置され、生活の85%のエネルギーをまかなえる仕組み。のんびり街を歩けば、ビジネスマンや学生、家族連れなどが思い思いの時間を過ごしている姿が目に移ります。
■フィアテル・ツヴァイ
住所:Leopoldstadt, 2. Bezirk Wien
まるで現代建築の屋外博物館!「ウィーン経済大学」
プラーター公園の敷地内にはウィーン経済大学のキャンパスもあります。ここがすごいのは、大学の建物がすべて超有名建築家の設計であるということ!上の写真は、建築家ザハ・ハディド氏(写真右)、イギリスのピーター・クック氏(写真中)、日本の阿部仁史氏(写真左)が手掛けたもので、さながら屋外ミュージアム。通路は一般の人も自由に歩くことができるので、現代建築好きにはもってこいのお散歩道です。
■ウィーン経済大学
住所:Welthandelspl. 1
プラーター公園内にはパノラマ・ウィーンという新施設も建設中。こちらは万博の際、中心的な施設として建てられたロトゥンデをオマージュした建造物で、円柱の中には360度鑑賞できるアートが展示されるのだとか。2023年秋オープンの予定です。
街を歩いているとこんなボックスを発見!実はかつての電話ボックスなんだそう。今は携帯電話が普及して公衆電話が撤去されてしまったので、そのボックスをかわいくペイントし、不要な本の無料交換ボックスとして利用されているのだとか。気張りすぎないサステナブルな取り組みは、さすがヨーロッパといった感じ。
麗しきミュージアム・レストラン「サロンプラフォン・イム・マック」
歩き疲れたら、今話題のレストランへ行ってみましょう。ウィーンは美術館に併設された美しい飲食店がいくつもありますが、こちらもそのひとつ。19世紀後半に建造されたオーストリア応用美術博物館(MAK)内にあり、特に天井の装飾がみごと!店内のインテリアや食器にこだわり、すべて有名アーティストの作品を使用しているのだとか。でも格式ばらず、カジュアルな雰囲気で食事を楽しめるとあって、ウィーンっ子にも観光客にも大人気なんです。
料理はモダンにアレンジされたオーストリア料理。写真のフライドチキン€22は、薄くたたかれたチキンをサクサクの衣で揚げたもの。見かけは巨大ですが、軽くてペロリと食べられてしまいます。
オーストリア応用美術博物館は、中世から現代までの家具や手工芸品が展示された博物館。1900年代から現代に続くデザインの歴史をひも解ける、90万点もの貴重な作品が展示されています。グスタフ・クリムトの作品はもとより、万博で展示された日本の出展物も見ることができます。
■サロンプラフォン・イム・マック住所:Stubenring 5
TEL:01-2260046
営業時間:10〜24時
定休日:なし
■オーストリア応用美術博物館(MAK)
住所:Stubenring 5
TEL:01-711360
営業時間:10〜18時(火曜は〜21時)
定休日:月曜
料金:€15(火曜の18〜21時は€7)
2023年リニューアル「オーストリア国会議事堂」
2023年春にリニューアルオープンした「オーストリア国会議事堂」。5年の歳月をかけて改装しましたが、外観は古代ギリシア神殿のような荘厳なつくり。正面にはパラス・アテナの泉とよばれる噴水があり、英知の女神アテナの彫像がそびえたちます。
1階は誰でも無料で自由に入れるスペースです。法律の作られ方がゲームで学べる空間や、国会図書館、おみやげショップもあります。この日、図書館には地元の子供たちが多く訪れていました。日本語の本も所蔵されているそうですよ。
無料スペースも十分楽しめますが、せっかくならガイドツアーを予約して、国会議事堂の中をぜひ見学してください!普段見られない貴重な場所がたくさん見られます。 写真はアゴラという中央広場的なスペース。会議の始まりを知らせるブザーがひっきりなしに鳴り響いていました。
荘厳な雰囲気の会議場。天井はガラス張りでやわらかな自然光が降り注ぎます。
こちらの近代的な会議場では、実際に議会が開かれている様子をリアルで見ることができました。タイミングさえ合えば、誰でも見学することができます。オーストリアでは国民の質問を常にオンラインで受け付けており、実際に議会で話しあってもらえるのだとか。開かれた議会を目の当たりにできました。
■国会議事堂
住所:Dr.Kart-Renner-Ring 3
TEL:01-401100
営業時間:9〜19時(水曜は〜17時)
定休日:日曜、祝日(特別休館日:2023年7月31日〜8月5日)
料金:無料(身分証明書提示要)
※ガイドツアー(無料)は要予約、本会議会期中を除く月曜〜金曜、身分証明書提示要
メモリアルイヤーに見ておきたい「ウィーン世界博物館」
せっかくなので、開催から150周年を迎えたウィーン万博にちなんで、「ウィーン世界博物館」も立ち寄ってみましょう。こちらにはウィーン万博に出店した日本の展示品が多く残っており、当時の美術品を実際に見ることができます。
江戸時代の大名屋敷の模型や陶磁器、着物など貴重な品々が展示された室内。日本の美術品は、のちの芸術家クリムトなどに大きな影響を与えたと言われていますが、きらびやかな着物の柄などはまさにクリムトの絵画の世界感そのもの。ウィーン万博での日本の展示は当時大反響を呼んだというのも納得してしまいました。
街の中心部もさくっと駆け足で
たっぷり最新スポットを回ったら、さくっと街の中心部もひと巡りしてしまいましょう。まずはウィーンのシンボル、シュテファン大聖堂へ。ゴシック様式司教座聖堂はウィーンの象徴的存在です。教会周辺にはお土産や飲食の屋台も立ち並び、いつ訪れてもにぎやか。
教会内部は打って変わって静寂につつまれています。荘厳な雰囲気に圧倒されてしまいますね。こちらはモザイクで彩られた屋根も有名なので、時間があればぜひ塔へ登ってみてください。
■シュテファン大聖堂
住所:Stephansplatz 3
TEL:01-515523054
営業時間:6〜22時(日曜、祝日は7時〜)
定休日:なし
料金:カタコンベガイド€6、ドームガイド€6、北塔€6、南塔€5.50、共通パス(カタコンベ、ドーム、北塔、南塔)€20
シュテファン大聖堂からのびるグラーベン通りは、ウィーンで最初の歩行者天国。道の中央に立つペスト終息の記念柱が目印です。
シュテファン大聖堂から伸びるもう1本の歩行者天国がケルントナー通り。ここにはハプスブルク家御用達の宝飾品店「A.E.ケッヒャート」があります。シシィに贈られた星形の宝石と同じデザインのものもこちらで購入することができますよ。
■A.E.ケッヒャート
住所:Neuer Markt
TEL:01-5125828
営業時間:10〜18時(土曜は〜17時)
定休日:日曜
もう1軒立ち寄りたいのが、クリスタルグラスの専門店「J.& L.ロブマイヤー」の本店。A. E.ケッヒャートとともに、万博出店で名声を得た地場ブランドです。グラスなどはもちろん購入できますが、店内のゴージャスなシャンデリアなどを眺めるだけでもため息がでます。
■J.& L.ロブマイヤー
住所:Kärntner Str.26
TEL:01-512050888
営業時間:10〜18時
定休日:日曜
最後に訪れたいのはウィーン万博開催にあわせ開業した5つ星ホテル、ホテル・インペリアルの中にある「カフェ・インペリアル」。こちらでは代表的なオーストリア料理をいただけますが、ぜひ試したいのはザッハートルテと双璧をなす有名スイーツ「インペリアルトルテ」。2023年現在、開業150周年を記念して、限定版のトルテを発売中です。購入も可能なので、最終日に訪れておみやげに買って帰るのがおすすめ!
■カフェ・インペリアル
住所:Kärntner Ring16
TEL:01-50110389
営業時間:7〜23時
定休日:なし
いかがでしたか?ウィーンといえばシェーンブルン宮殿やホーフブルク王宮は欠かせないけれど、街はどんどん進化していて、新しい見どころがたくさん!初めてでもそうでなくても、常に発見がある素敵な街です。ぜひたくさん歩いて新たなお気に入りを見つけてくださいね。
TEXT:るるぶ編集部
PHOTO:るるぶ編集部、ウィーン市観光局
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