アメリカ連邦準備理事会(FRB)が即時決済システムの「FedNow」を稼働させました。銀行や信用組合がこのツールを利用することで、異なる銀行間での送金にかかるタイムラグがなくなり、24時間いつでも即座に送金できるようになります。

Federal Reserve Board - Federal Reserve announces that its new system for instant payments, the FedNow® Service, is now live

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/other20230720a.htm



FedNow Dramatically Speeds Up U.S. Payments, but Federal Reserve Downplays Any Tie to Digital Dollar

https://www.coindesk.com/policy/2023/07/20/us-federal-reserve-kickstarts-fednow-instant-payments/

FedNow goes live for banks, credit unions | Payments Dive

https://www.paymentsdive.com/news/fednow-instant-payments-realtime-banks-credit-unions-transactions-FIS-Fiserv-JPMorgan/688455/

FRBが2019年に開発を始めたFedNowは、個人や企業による365日24時間の即時送金・決済を可能にする決済システムです。FedNowの始動により、同様の即時決済システムがすでに導入されているインドやブラジルなどの諸外国にアメリカが追いつく一助になると期待されています。

早期認証参加者には、アメリカ最大の銀行であるJPモルガン・チェース、財務省、スター・ワン・クレジット・ユニオンやブリッジ・コミュニティ・バンクなど52の銀行やサービスプロバイダーが名を連ねているとのこと。

また、ACIワールドワイドや大手プロセッサーFIS、Fiservなどのサービス・プロバイダーも早くから認証を受けており、オランダの決済プロセッサーAdyenやスイスの金融サービス会社Temenosなど、アメリカ国外に拠点を置く企業も早期参加者に含まれています。



即時決済が完全に利用可能になれば、会社員が給与を即座に受け取りその日のうちに利用することができるほか、中小企業は処理に遅れが生じることなく、キャッシュフローをより効率的に管理することができます。今後数年間で、このサービスに登録した銀行や信用組合の顧客は、金融機関のモバイルアプリやウェブサイト、その他のインターフェイスを利用して、迅速かつ安全に即時決済を行えるようになると期待されています。

FRBのジェローム・H・パウエル議長は「より多くの銀行がFedNowを利用するようになれば、個人や企業にとってメリットが生まれるでしょう」と述べました。



FedNowは将来のデジタル版アメリカドルへの架け橋となる可能性があるとして批判に直面していますが、FRBはデジタル通貨との関連性を否定し、「FedNowは通貨の一種でも、現金を含むあらゆる支払い形態の廃止に向けた一歩でもありません」と述べています。