張帥【写真:Getty Images】

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WTAツアー・ハンガリアンGP

 女子テニスでの“蛮行”が波紋を広げている。ハンガリアンGP(ブダペスト)は現地時間18日、女子シングルス1回戦が行われ、アマリッサ・トート(ハンガリー)が張帥(中国)の棄権により勝利した。ライン際の際どいアウト判定に張が抗議。判定は覆らず試合が続行されると、トートがボール跡を足でもみ消し。張が精神的なショックから棄権するとトートは歓喜。一連の振る舞いが批判を浴びていたが、日本の現役女子テニス選手は張が最後まで貫いたスポーツマンシップに「尊敬する」と敬礼している。

 最後まで品格を失わなかった。第1セットの5-5で迎えた第11ゲーム。張のショットがライン際でバウントするとアウト判定になり、審判に抗議した。オーストラリア放送局「セブン」によると、抗議する張には会場から野次が飛ばされ、それをトートも「笑って」いたという。

 判定は覆らず試合が続行されると、トートは足で踏んで擦るようにボール跡を“隠滅”。張は再び抗議するも判定は変わらず、その後このゲームを落とした。ベンチに戻った張はパニック発作を理由に棄権。それでも審判と、“蛮行”を働いたトートと握手してから退場した。

 実際の動画をポルトガル地元紙「レコード」の記者などを務めるジョゼ・モルガド氏が自身のツイッターで公開すると拡散され話題に。穂積絵莉(日本住宅ローン)も反応した。全仏オープン女子ダブルス準優勝の経歴を持つ29歳は、「こんな状況でも審判と相手と握手をする、そんなShuaiをわたしは尊敬しています」と張を称賛。別の投稿ではトートの振る舞いに「あまりに衝撃で言葉が出ない」と驚きを隠せないようだった。

(THE ANSWER編集部)