【リーグ戦再開展望】新庄ハムが台風の目となるか パ「3強3弱」は面白み半減…抜け出す球団は?

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混パの主役となるか 新庄監督率いる日本ハムの戦いに注目が高まっている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 プロ野球の交流戦はDeNAの初優勝で幕を閉じ、23日からリーグ戦が再開する。夏場からが本当の勝負といわれるが、リーグ戦に再び戻る「開幕カード」が、偶然にも両リーグとも1&2位、3&4位、5&6位同士の対戦というのは興味深い。

 セ・リーグは交流戦で失速したヤクルトが借金15、中日が借金16(20日現在)と「2弱」を形成。昨季最下位の中日はともかく、リーグ2連覇中のヤクルトは少し寂しい成績となっている。「2弱」の恩恵を受ける形で、勝率5割を超える4チームで優勝争い、CS争いが白熱しそうだ。

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 対するパ・リーグは「3強3弱」と明暗がはっきり。3位ロッテと4位日本ハムのゲーム差が大きく離れている。仮にこの状態が続くようなら、上位3チームによる優勝争いが盛り上がる一方、CS争いの妙味は薄れる。

 シーズン半分以上を残しながら下位球団による消化試合のオンパレード…という展開はファンも見たくない。「3強3弱」の構図を崩す可能性を探ってみたい。

 首位オリックスは若い先発陣が躍動。山本由伸はじめ宮城大弥、山下舜平大とハーラートップタイ6勝が3人。打率、本塁打もリーグトップで、3連覇へ突き進む。1差で追う2位ソフトバンクは戦力的に他チームより抜けており、大きく連敗することは考えにくい。リーグ再開初戦で、両チームによる首位攻防が繰り広げられる。

 拮抗する「3強」で後退する可能性があるとすればロッテか。右肘手術から復活した西野勇士が6勝と気を吐いているが、エース格の佐々木朗希がお疲れ気味。野手では突出して活躍している選手はいない。吉井理人監督が適度に休養を与えながら選手の力を引き出しているが、もともと選手層は厚くない。暑い夏を迎えて疲れが出て失速するか、「ゆとり起用」がさらに効果を発揮して優勝争いに踏みとどまれるか注目だ。

 「3弱」から抜け出す筆頭候補は4位日本ハム。新庄剛志監督が投手力を中心に白星を積み上げ、最大9あった借金を4 まで減らした。防御率2.75は両リーグトップの数字。先発投手陣ではエース・上沢直之がリーグトップの6勝、またシーズン途中に先発へと転向したサブマリン右腕の鈴木健矢、北山亘基などの奮闘も光っており、まだまだミスも多く発展途上だが、経験を積んだ若手が勢いに乗れば、台風の目になる可能性も秘めている。6差ある3位ロッテとのリーグ再開カードが、上位浮上への試金石となりそうだ。

 投打がかみ合わない5位楽天は交流戦で持ち直した、かに見えた。残り2試合で逆転優勝の可能性があり、連勝して、なおかつ30得点以上が条件だったが、20日のヤクルト戦(神宮)に0-13で大敗。当たりが戻りつつあった打線はわずか2安打。低迷から浮上するきっかけとなりそうな一戦で力を発揮できず、なかなかチームが勢いづかない。ベテラン頼みの体質は変わらないだけに、消耗する夏場を迎えてどれだけ踏ん張れるか。

 最下位の西武は借金13を背負い、苦戦をしいられている。3、4月に勝ち越したが、女性への強制性交容疑で書類送検された5月の「山川問題」から急失速。深刻な得点力不足に陥った。投手がいくら踏ん張っても、点が取れなくては勝てない。若手野手の台頭も少しずつ見えはじめたが、借金2ケタからでは、どんなに追い上げても勝率5割目標が現実ラインだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]