誰にでも人生に一度や二度は大きな間違いや失敗はあるだろう。しかしマディさんは、高校生にして1,400万円超の給付型奨学金を棒に振るところだった。幸運なことに、瞬時に拡散された彼女のSNS動画を大学側も早いうちにキャッチし、彼女にコンタクトを取ってくれた(画像は『New York Post 2023年6月14日付「I Iost a whopping $100K college scholarship ― then a miracle happened」(TikTok/luvlyymadiii)』のスクリーンショット)

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生まれた時にはすでにネット社会で、スマホを駆使した情報発信力に長けると言われる“Z世代”の高校生が、文字通りSNSのおかげで人生の大きな選択を間違えずに済んだとして注目を浴びた。志望する大学から高額の給付型奨学金を提示されていたにもかかわらず、それを通知する手紙を開け忘れて気付かなかったという。この時、彼女のピンチを救ったのが、自身のTikTok動画だった。米ニュースメディア『Insider』『New York Post』などが伝えた。

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今年4月29日土曜日のこと、米テネシー州在住の高校生マディ・キルゴアさん(Madi Kilgore)は進学先が決まり、卒業式を1か月後に控えて部屋の片づけをしていた。この時、未開封のまま昨年10月から放置していた複数の大学からの手紙の束を開ける様子を動画に撮ったのだが、1通の手紙を開いて彼女はすぐに固まってしまった。「え、何っ?」と驚く表情をして手紙を読み返した後、彼女はカメラを睨みつけながらその手紙を前に差し出した。

動画では手紙の文字を読み取ることはできないが、キャプションには「志望上位3校のうち1校から、10万4千ドル(約1,450万円)の奨学金を貰えることに今、気づきました」とある。さらに続けて、

「ショックだし、腹立たしい。」
「だって、4年制大学へ行くには経済的負担が大きすぎるから、コミュニティカレッジへの進学をすでに決めてしまったの。」
「すぐに手紙を開かなかった自分に呆れちゃう。締め切りは月曜日だって。」

と書かれていた。月曜日は2日後だ。

この動画は瞬く間に拡散され、570万回以上の再生回数を記録した。多くのネットユーザーは、

「どうして手紙を開けなかったの?」
「どうやったら、大学からの手紙を何か月も開けずにいられるんだ?」

などと彼女を責め立てた。

マディさんは「たくさんの手紙が来ていたから、どこの大学からなのかも気付かなかったの」と理由を語り、「もうほかの学校の手続きもしちゃったし」と実情を告げる。

すると今度は、

「締め切りの直前に手紙を開けたことには理由があるんだよ! 行くべきだよ、その奨学金を手に4年制に行きなさい。きっとそれだけの価値があるから。」
「(ほかの学校に既に払った)入学金なんて拘束力はないんだから、気にせずに行きなよ。」
「これこそが、あなたがやるべきことだというお告げだよ。これまで何をしたかは関係ない、自分の夢に従いなさい。」
「まだ時間はあるよ、行きなさい。行かないと後悔するよ。」
「とにかく電話してみて。」

と彼女を後押しする声があがった。

この投稿から10日後、マディさんは「皆さんが待っていたアップデート情報」と題して、新たな動画をTikTokに投稿した。

動画の中でマディさんは、とても爽やかな表情で語り始めた。

「ハーイ! 実は今日、例の大学から電話があったんです。奇遇なことに大学が私の動画を見て、私のことを調べて連絡をくれたんです。“夢をかなえることができますよ”って。」
「私、メリービル大学に行きます!」

待望の結果報告に多くのTikTokユーザーも安堵し、コメント欄は「おめでとう」の言葉や絵文字で溢れかえった。なかにはメリービル大学の在校生や卒業生からの激励のコメントも見受けられた。

注目したいのは、「大学のソーシャルメディア担当が、いい仕事をしたね!」と大学側が迅速にマディさんの状況を察知したことを評価したコメントに1万4千件以上の「いいね」が付いたことだ。マディさんの身に起きた一連の出来事が、まさに現代を象徴するエピソードであることを示している。

メリービル大学の入学および財政援助担当副学長のアレイン・ボウマン氏(Alayne Bowman)は『Insider』のメール取材に応じ、マディさんに連絡して「あなたの奨学金は、まだ有効ですよ」と伝えた人物は自分だと明かした。さらに大学側は、マディさんに追加の奨学金も提示し、彼女がそれを受け入れたことも付け加えた。

一度は高額の奨学金と進路を棒に振るところだったマディさんだが、TikTokで拡散したおかげで、この秋からは希望に満ち溢れたキャンパスライフを送ることができるだろう。

ちなみに先月には、刑務所生まれだという米テキサス州の女性が今年、名門校「ハーバード大学」に進学すると報じられ、話題になった。

画像は『New York Post 2023年6月14日付「I Iost a whopping $100K college scholarship ― then a miracle happened」(TikTok/luvlyymadiii)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 秋本神奈)