「本来の姿ではない」復帰登板を果たした巨人・菅野智之に球界OBが注目した「変化」とは
開幕から出遅れていた菅野も戦列に復帰した(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
戦列に頼もしい男が帰ってきた。右ひじの張りにより出遅れていた巨人・菅野智之投手は11日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)で今季初先発を果たすと、5回4安打2失点で1勝目を手にした。
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2点を先制されながらも5回に丸佳浩の本塁打など味方打線が3点を奪い、逆転。その裏は相手クリーンアップを三者凡退に抑え、勝利投手の権利を得たまま降板した。後を継いだ中継ぎ陣の粘投も実り、待望の今季初勝利となった。降板後は「5回を投げて満足しているようではいけない」とエースの自覚も示した。
一方、いよいよチームに合流したエースの投球をめぐっては球界内からも様々な考察の声が出ている。現役時代は大洋(現DeNA)で活躍。引退後は日本代表コーチも務め野球解説者の高木豊氏は13日までに更新した自身のユーチューブチャンネルで菅野の「現在地」について触れている。
動画内では菅野に関して「菅野の良いときを知っているから、それからすると50点」「菅野の本来の姿ではない」として、それぞれの球種の精度に目を向けた。
まず直球に関しては「全盛期の7割ぐらい」、スライダーの精度に関しても「7割ぐらい」、ツーシームに関しても「6割ぐらい」と辛口評価が続く中、唯一変化球で、及第点を与えたのはフォークで精度を「9割ぐらい」とした。
さらにピッチングスタイルの変化にも着目。従来の球威で押すスタイルから「力で押すのではなくかわそうとしている、だから打ち取ろうとする」とコメント。今年で34歳を迎える菅野の年齢もあるとして、若い頃とは違うスタイルを模索している様子が見て取れるとした。
長年チームを支えてきたエースだけに菅野の投球に関しては高木氏以外にも巨人OBなどからも様々な声が飛んでいる。
それだけに高木氏は「見るほうも慣れていってあげなきゃ」と、現在の肉体と向き合った取り組みで復活しようとしている菅野を見守ってほしいと語った。
今後はすべての変化球の精度をもっと上げていく必要はあるとしながらも「どういう風に変わってニュー菅野を見せてくれるのか、楽しみだよね」と結んだ高木氏。原監督も菅野に関しては「まだできるでしょう」とさらなるブラッシュアップを期待している。
その菅野は交流戦最終戦となる18日の楽天戦(東京ドーム)での次回登板が濃厚。現在チームは交流戦首位を争うなど好調なだけに、エースの快投で「大団円」を迎えるのか。次回の登板内容も注目となりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]